遠野まごころネット

遠野被災地支援ボランティアネットワーク遠野まごころネット

印刷用ページを表示 印刷用ページを表示

第4回構成員会議~陸前高田市ハード部隊隊長 稲田正吾郎さんからの報告

2011年12月26日  16時00分


より大きな地図で 陸前高田市 を表示

私は5月から活動させていただいていて、6月からは陸前高田市の現場隊長を担当している。陸前高田市での活動場所は、小友町、広田町、米崎町、気仙町、高田町、と広範囲。最近は米崎町舘(たて)で住民のみなさんからニーズを聞きながら作業を進めている。

活動のなかで一番多く関わっている地域は気仙町上長部。ご存じの方も多いと思うが、ゴールデンウィークからサンマ隊が活動し、私は忘れもしない6月18日にサンマ隊第2弾として初めて上長部を訪れた。それ以来上長部では半年以上お世話になっているが、現在は瓦礫撤去作業はほとんどない。地元のお父さんお母さんたちと話をしながら1日を過ごすような感じ。

昨日の作業は薪割。お父さんたちが周りの杉や倒れた松を持ってきてチェーンソーで切り、ボランティアが鉞(まさかり)で割る作業を行っている。暖をとりながら、ゆっくりみんなで話しながら作業する。上長部では、ほぼすべての事をお父さんお母さんにお任せしている段階なので、私たちはイベントごとやお手伝いすることがあれば出向いて一緒にやらせていただいている。

つどいの小屋にて干し柿づくり(11月)

先日12月10日の「気仙町復興祭」で市議会議員の方がおっしゃっていたが、上長部は陸前高田市のモデルケースになるだろうとのこと。復興に向けての独特な活動を展開していて、丸太小屋(つどいの小屋)を建てて、キューブハウスも設置した。昨日私は贅沢にもそこでうとうとと昼寝をしてしまったが、とても過ごしやすかった。カギはお父さんたちに預けているが、遠慮してまだ自分たちでは使っていないようだ。今後は地域のみなさんのために有効利用していただければと思う。

上長部では大勢のボランティアを受け入れていただいている。ゴールデンウィークの一番多い時には350人以上が活動した。しかし上長部に到着した時点で20人が脱落、昼ご飯を食べずに午後の作業が出来なかったのが50人もいた。
それから日が経ち、昨日伺ったのは6人。今までで最少人数だった。以前は遠野まごころネットからのボランティアは陸前高田市が一番多かったが、その頃の50分の1にまで減ってしまった。団体登録した方が見えれば人数が増えるが、個人参加はかなり少なくなっている。風化が進んでいるということだと思う。

支援活動は、まだまだやることはたくさんある。特に陸前高田市は面積が広いので、人手が必要。端から端まで見てきたが、市街地以外はかなり瓦礫が残っている。
集めた瓦礫からは火が出ることがあり、最近市街地の中心部の瓦礫が4日間ほどくすぶっていた。すでに鎮火したが、他の場所でも瓦礫の山から煙が出ているのを目にすることがある。こういった様々な問題が沿岸地域には残っていて、やることはまだたくさんある。現在のところは陸前高田市ではお茶っこ隊は活動に出ていないが、今後はやっていかないといけない状況だと思う。

クリスマスのサンタが100人やってきた!のサポート活動のため、12月23日から現場活動は中止して100%サンタに協力する。そのため12月22日でハードは終了。年始は1月7日まで陸前高田市ボランティアセンターが休みなので、後方支援の遠野まごころネットもその間はお休みして8日から活動再開。

来年の活動については、天候にもよるが、私の考えとしてはいけるところまでいきたいと思っている。判断は任せてもらっているが、他のボランティアとも相談しつつ、今後の活動を展開させていきたい。

(陸前高田市ハード部隊隊長 稲田正吾郎)


参考記事

がれき置き場で火災 陸前高田(2011/12/11 岩手日報) ※火災の原因は自然発火とみられ現在調査中
» サイト内の陸前高田市の記事はこちら

稲田さんのFacebook

» 稲田さんのFacebookはこちら

先日完成したばかりのプレハブののきさきに丸太のベンチができてました!! お父さん達かっこよすぎ。 現在、背もたれ製作中

『頑張れ米崎!!この町が大好きだ!!』 毎日被災地にあしを運んでボランティアをする。 現場を見つけに車で移動したりすると時々こんなものを見かけます。 グッと来るのをこらえて明日もまた被災地に! 1日でも早く復興してもらって、現地のお父さんやお母さん達の顔をみにいくのが今のおれの目標!

One Response to “第4回構成員会議~陸前高田市ハード部隊隊長 稲田正吾郎さんからの報告”

  1. 私は2日間調布社協より団体で作業をさせていただいた者で、その節お世話になりました。 風化、暗い小説の題名のような言葉ですが、私は気持ちの上で違うと思います。まごころネットのスタッフは、現地の方々、ボランティア共にたくさんの気持ちを心に作ったと考えています。それぞれの方が、これから生きていく上でどれだけ力と励みになるか、はかりしれません。その仕事をされたのですから素晴らしいことです。

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。