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大槌町「臼澤鹿子(しし)踊り」披露会開催!

震災で壊滅的被害を受けた大槌町の再生と復興を祈願して、同町臼澤地区の避難所となっている「臼澤鹿子踊伝承館」で1日、保存会メンバー約40人が避難されている方や地元住民、約200人の前で、1日限りの特別披露会を行った。小学生を含む19人の踊り手たちが、荘厳な笛の音に合わせ、約400年の伝統を誇る勇壮な舞を踊り、その場の全員を感動させた。

1日限りで特別披露された臼澤鹿子踊り

1日限りで特別披露された臼澤鹿子踊り

鹿子踊りは、成長した鹿が大きな角を自ら大木にぶつけて根元から折り、新しい角の「再生」を促すといった古来、鹿にまつわる伝承を題材としている。大槌町の集落事に固有の踊りが伝わっており、毎年9月の第3週の週末の「大槌祭り」では各集落が競い合って踊ってきた。

臼沢鹿子踊のマスコット

臼沢鹿子踊のマスコット

自身も津波で親族3人で亡くした保存会の東梅英夫(とうばい・てるお)会長(65)は「私らが目の黒いうちには、祭りの復活はないだろうとあきらめていました。こんな状況の中で、果たして踊ることがいいのかという意見もあったが、実施してよかった。今日が、再生のスタート。400年の伝統を再び守り続けていきたい」と感慨深げに話していた。

大盛況の披露会に満足げな東梅さん

大盛況の披露会に満足げな東梅さん