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5・31 遠野・青笹中で「手紙文庫」の臼澤館長らが震災とボランティアについて講演

2011年5月31日  20時01分

遠野市の青笹中学校で5月31日、手紙文庫の臼澤良一館長(62)とまごころネット事務局の吉田慶氏(27)が、同校の「第1回生き方講座」の講師として講演した。生徒たちが「大震災を身近なこととしてとらえ、普段の生活を振り返り、他人に対する思いやりや心遣いの大切さに気づき、実践しようとする態度を育てる」(小松太校長=54)ことなどを目的に、この日から始めた課外授業に、津波で大槌町の自宅が流された臼澤館長が被災地住民の代表、そして、東京在住ながら個人ボランティアとして長期にわたってまごころネットで活動する吉田氏が、ボランティア代表として招かれた。

青笹中で講演した臼澤館長(前列左)と事務局の吉田氏(同右)

青笹中で講演した臼澤館長(前列左)と事務局の吉田氏(同右)

自身の体験を語る吉田氏

全校生徒70人が真剣な表情で待ち受ける多目的ホールのお立ち台に、まず吉田氏が登壇。4月から2度にわたって滞在している遠野でのボランティア生活や、沿岸部の被災地での現地の方々との交流時の思い出を緊張の面持ちで振り返った。「僕たちボランティアが、全国各地から集まった支援の輪、友情の輪をもっともっと、どんどんと広げて、被災された方々が1日も早く、心から笑顔に戻れるように活動しています」と話した。吉田氏は大学中退後、アルバイト生活を続けながら一念発起。現在は、医師を目指して受験勉強中。生徒から「将来の夢は何ですか?」と尋ねられると「将来は医者になって、医者として世の中の困っている人たちとかかわっていきたいです」と目を見開いた。 続いてマイクの前に立った臼澤館長は、大槌町の中心地にあった自宅が津波に襲われてからの恐怖の体験談を生徒たちに披露。「私たち被災者は、あの3月11日を境に、人生も価値観も変わってしまいました。私は家も財産もすべて失ってしまいました。けれど、形のあるものはいつかは取り戻せる。家族のきずなや人の優しさ。形がないものの方が大切なんです。今回の震災で、人間は1人では、絶対に生きていけないということに気づきました」と切実に訴えた。全国各地、海外から、今も集まり続けるボランティアたちの献身的な活動を感謝をこめて振り返り「避難所でボランティアのみなさんが、私たちのために一緒に涙を流してくれた時、私の手をとってくれた時、『なんて温かい手なんだろう』と心から思いました。この人たちは自分のお金、自分の仕事、自分の時間をなげうって、ここにやってきてくれている。知らない人同士が、涙を流して語り合える。『人間って本当に素晴らしいな』と62歳になって初めてわかったんです」。

目を潤ませてお礼の言葉を述べる佐々木星菜さん

大津波の被災地である沿岸部まで40~50㌔の遠野市は今、まごころネットに代表される後方支援の前線基地として全国で注目されている。しかし、地元の学校で通う児童、生徒にとっては、被災地に親類や家族のいる場合を除けば、テレビや新聞などで見聞きする震災関連情報は、遠隔地とさほど変わらない。講演の最後に生徒たちを代表し、お礼のあいさつを行った佐々木星菜(せいな)さん(3年)は「津波のことは、よくわかっていたつもりでした。でも、今日初めて生でうかがった当時の様子はあまりにも恐ろしすぎて、どんなにみなさんが怖かったか、つらかったかがわかりました。私もこれからの人生で、自分も何をできるのか考えていきます」と泣きながら話した。臼澤館長の衝撃の体験談後は、生徒たちからの質問が途切れることがなかった。「僕たちでも何かできることはありますか?」という問いかけに臼澤館長は「手紙を添えた本を送る手紙文庫があります」と胸を張って答えた。最後に校長が「われわれが聞きかじった話を子ともたちに話しても、被災地の方々の本当の思いは伝わらない。実体験をうかがえた貴重な機会だったと感謝しております」と全校生徒、職員の思いを代弁した。

2 Responses to “5・31 遠野・青笹中で「手紙文庫」の臼澤館長らが震災とボランティアについて講演”

  1. 臼澤良一 |

    重黒木様、手紙文庫の臼澤です。早速、ご協力いただき感謝申し上げます。
    被災地ではすべてを失った方がおります。そのような中で、1冊の本や1通の手紙がどれほど心を和ませてくれるのか計り知れません。被災者の生活はまだまだ苦労が続きますので、今後とも、暖かいご支援をお願いいたします。

  2. 新建新聞社 みんな家族 重黒木 博 |

    先日は上郷地区センターに泊めていただいて、本当にありがとうございました。
    社員で集めた手紙付きの本1箱を今日送らせていただきます。

    思いが伝わる、人と人が関わっていく温かい社会にきっとなると信じています。

    重黒木(じゅうくろき)博

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。