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「三陸海の盆」を開催、郷土復活への新たな一歩

11日、大槌町のまごころ広場うすざわ特設会場で第1回「三陸海の盆」が開催されました。「三陸海の盆」とは、東日本大震災で犠牲になられた方々を永遠に記憶し、この悲劇が風化しないよう、被災地三陸と支援地が一体となって犠牲者の方を供養するとともに、ふるさとや郷土芸能の復活を願って開催されたものです。午前11時から午後9時までという長時間にわたるイベントでしたが、晴天にも恵まれ、多くの来場者で会場が埋め尽くされました。遠野まごころネットではこの「三陸海の盆」をUSTREAM経由でインターネット上に配信し、全世界に向けて岩手県沿岸部の今をリアルに伝えました。

灯ろうにメッセージを書く小学生


冒頭の挨拶では、まごころ広場代表で今回の「三陸海の盆」実行委員長の臼澤良一さんが「私たちは3月11日のことを絶対に忘れません。一瞬のうちに失われた郷土を復活させるための今日は歴史的な第一歩の日です。地域コミュニティの復活と郷土の復活、そして亡くなられた方の霊をなぐさめるためにも三陸海の盆をこれからも永遠に続けましょう」と会場のみなさんに語りかけました。

開会の挨拶をする臼澤良一さん

11時に法要が営まれたのち、三陸地方沿岸部に伝わる郷土芸能が次々と披露されました。臼澤鹿子踊りをはじめとする合計11団体の迫力ある演技を楽しみに来場された方も多く、地元で古くから受け継がれてきた伝統芸能の素晴らしさをあらためてみんなで分かちあった忘れられないひとときとなりました。代々伝わってきた衣装や楽器が津波で流されながらも、再び郷土芸能を復活させようという地元のみなさんの熱い思いは多くの方々に感動や勇気を与えました。

待望の臼澤鹿子踊り

フィナーレは小鎚(こづち)川河川敷での精霊流しと線香花火です。参加者のみなさんがそれぞれどんな思いを込めて灯ろうにメッセージを書かれたのか、目の前の小鎚川をゆらゆらと流れていく光に映しだされた言葉の重みを私たちは決して忘れてはならないと思います。

小鎚川での精霊流し

同じ頃、遠野市や東京、大阪のほか、インドネシアのアチェ、エジプトのカイロなど国内外の様々な場所でキャンドルナイトが行われました。被災地と支援地が一体となって犠牲者のご冥福を祈り、三陸の復興を願うという“想い”を共有すること―――被災地から遠く離れていてもみんなの心はひとつ、そしてこれからもひとつであることを願っています。なお、今回の「三陸海の盆」の開催にあたっては、多くの方々からご協力やご支援を頂きましたことに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。