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石段、やっちゃいますか作戦

釜石市箱崎町。

町というよりは漁村というにふさわしいこの町に箱崎神社はあります。
52段の石段を上がった社殿の床までも大津波は到達しました。
多くの住人が親族の誰かを失ってしまったことで、喪が明ける来年までは鳥居をくぐることが出来ない状況に。
まごころネット箱崎隊は境内のみならず、神社の前を通る道路脇の清掃や草刈り作業にあたってきました。

箱崎神社

箱崎神社

その道路から社殿への参道は2つ。
1つは緩々と登る坂道。
もう一つは52段の石段から。
前者は津波によって中途で崩落し、後者は地震に伴った地盤沈下によって石段の一部がズレたり崩れたりで、乗ると危険な状態にありました。

奥田さん、「石工でもないボランティアが手を出すモノじゃねえことは分かるが、このままじゃあ悲しいよな。いっちょやってみっか?」
私、「はい、じゃあ、やってみますか。」
と始まってはみたものの、思いの外の重量に手こずり、ヘタすると簡単に指や足を潰してしまう
危険と緊張の連続でした。

石段脇から数メートル下の地面へ落ちてしまっていた縁石が収まるべき位置へ収まって、全てが終了しました。
その時の感情としては達成感よりもむしろ些細な事故もなく終えたことへの大きく深い安堵感でした。

修復前

修復前

修復後

修復後

三日間に渡り適切な指示をしていただいた奥田さん。
二日目、三日目にそれぞれ参加して頂いた方々。
カブで現れた箱崎在住の「月光仮面」。
たまたま近くにいらっしゃって、最後の縁石をユニックで上げてくださった地元の工場長さん。
そして名も無きこの方々を見守り且つ助けていただいた箱崎神社の神様。本当に有難うございました。
最後に、今回の作戦行動中に右手の指3本を軽くはさんでしまったことはここだけの秘密です。

「私」さんと奥田さん

「私」さんと奥田さん

箱崎神社2

(記事:箱崎隊の「私」さん)