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箱崎 やっちゃいますか作戦 その2

釜石市箱崎町、半島沿岸部に位置するこの小さな町は、市の中心地から離れており、復旧がかなり遅れている地区であります。近在の小中学校も被災してしまったことで、多くの若い世代は子供達の通学のために、釜石中心部に近い仮設住宅への移住を余儀なくされました。

漁業ついては、僅かながらも復旧への動きはありますが、いずれにしろ町にとって諸々の問題は山積しているといった状況に変わりありません。その具体例のひとつとしては道路。あの日の大津波によって、あらゆるインフラが破壊されましたが、当然ながら道路も至るところにその傷跡を残しています。欠落したガードレール、えぐれてデコボコになってしまったアスファルト面、そして流失した側溝のフタ。もとより狭い生活道路に沿った溝のフタが、たったひとつでも空いたままになっていると前後の数メートルは対向通過できずにバックしたりと車の往来に不便を伴います。

箱崎隊吉田さんと奥田さん、お疲れ様です。

箱崎隊吉田さんと奥田さん、お疲れ様です。


各所の大小のフタ、合わせて数百枚分は空いていました。あの日から9ヶ月近く経っても本来フタがあるべき側溝は、いつ修復されるとも分からない状態が続いていました。

そこで箱崎神社の石段仮補修でもお世話になったボランティアの奥田さん、「側溝のフタを復旧するなんてのは行政のやるべきことにちがいねぇが、未だに虫食いだらけのこの風景は悲しいよな。いっちょやってみっか?」

私、「はい、じゃぁ、やってみますか。」

というわけで始まってしまった「やっちゃいますか作戦 その2」例えるなら、家中にバラまいたピースを少しずつ集めながら埋めていく数百ピースのジグソーパズルみたいな感じといえばいいでしょうか。しかもピースひとつひとつの重量が寸法によって数十㎏から百kg以上のものまで。

一見、同じ寸法のようで違っていたり、「転び」の傾斜が違ってはまらなかったり。一日30枚から多い日には70枚ほど探したり、掘り出したり、はめてみたり、出したり、ガジッたりを繰り返していた延べ10日間。12月13日、最後のピースが片付いた時には、始まりからの総数三桁になるフタの枚数と重量に腰は泣いていました。

けれど顔は晴れ晴れ心は嬉し泣きだった、気がしています。箱崎神社の石段に続き、作業での適切な指示を頂いた奥田さん。U字溝の仮補修に関わって頂いたお三方。そして側溝清掃に汗を流して頂いたリュウさんアイさんカップルほか多数の方々や、ねぎらいの言葉を頂いた地元の方々。本当に有り難うございました。

フタがあるべき側溝には、カラーコーンが・・・・

側溝の蓋がありませんでした


これで安心して通行できます!

これで安心して通行できます!

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文章と写真:箱崎班 吉田 奥田