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82歳のボランティア大活躍

この日も午前7時半の受付時点で、過去最多の522人のボランティアが集結した遠野まごころネットの事務局前で、史上最高齢のボランティアを発見した。 地元・遠野市松崎町在住の三平敦夲(みひら・たいと)さんは、1929年(昭4)5月3日生まれ。明日3日には82歳となるが、今も現役バリバリの大工だ。「日本全国からいっぺえ人たちが、被災地を助けに遠野にあずまってくれありがてえ。地元の人間としてオラホも何かせねばと思った」と誇らしげに話した。

出発前に説明を真剣に聞いる三平さん(中央)

出発前に説明を真剣に聞いる三平さん(中央)

人生初のボランティアとなったこの日の作業は、大槌町の床上浸水住居の清掃のための「床板はがし」。50年を超える匠の技で、水を吸って重量を増したかび臭い板を次々と鮮やかにはがして回った。しかし、あいにく夜明け前から、最大風速20㍍を超える暴風が続き、すべてのボランティア作業は、午前だけで中止。「仕事はいつもやってから大丈夫。でも、今日は風が強くて、さぶくてさぶくて…。もっとやるとこあったんだげど」と残念そうに話した。

作業の現場班長として活躍する長男・廣幸さん

作業の現場班長として活躍する長男・廣幸さん

長男の廣幸さん(55=会社員)も4月9日から、勤務する土木会社を休職して、現場のボランティア班長として活躍中。敦本さんは「息子からも『早く(ボランティアに)来い』と言われてたんだけど、仕事が片付けなぐて…」と照れくさそうに笑った。 明日3日の誕生日も参加する。「大阪から来たわがい人と仲良くなったよ。外国人の人もいだ。ボランティアはええなあ」とさわやかに話した。

3日に82歳になる三平さん

3日に82歳になる三平さん