- 遠野まごころネット - https://tonomagokoro.net -

0624 長部小仮設グラウンドで4万株の芝植え

6月24日(日)、陸前高田市上長部ある長部小仮設グラウンド(注)に、地域の子どもたちと一緒に芝生のポット苗4万株を植えました(このイベントは日本サッカー協会のご支援をいただき、地元の方々と陸前高田市教育委員会の許可を得た上で行われたものです)。
(注)このグラウンドは、津波で失われた上長部の住宅地跡に作られました。家を失って仮設住宅で暮らす人々が、子どもたちに申し訳ないと陸前高田市に掛け合い、自らの土地を無償で貸し出すかたちで生み出されたものです。遠野まごころネットのボランティアも、グラウンド用地の瓦礫撤去で応援しました。

沿岸被災地では、小中学校のグラウンドのほとんどが仮設住宅用地となっています。子どもたちには、のびのびと走り回る場所がありません。クラブ活動も難しいので、長部地区の子どもたちだけでなく、気仙中学校や遠く離れた米崎中学校の子どもたちまでがバスでやって来ます。放課後の時間帯ともなれば、様々なユニフォームを着た子どもたちが野球の練習に励む姿に出会うことができます。子どもたちだけではありません。上長部のおがさん(お母さん)・おどさん(お父さん)達によるグランドゴルフの練習も毎日のように行われています。被災した住宅地跡は、子どもたちからお年寄りまで、皆が集い絆を取り戻す場所になっています。

この日、長部小仮設グラウンドには、長部小学校・気仙小学校など地元の子どもたちのほか、おおさかパルコープ、ならコープ、大阪よどがわ生協、陸前高田市災害ボランティアセンター、日本サッカー協会、遠野まごころネットなど、総勢320名程のボランティアが集まりました。

 

まず日本サッカー協会の方から芝植えのレクチャーを受けました。それから一斉に芝植えを始めます。隣どうし話し込みながら、和やかな雰囲気で作業が進みます。大人達からは「このグラウンド広いね。今日中に終わるのかな……」という不安そうな声も聞かれましたが、小学生達はまったく気にしない様子。手際よく芝を植えていきます。お友達どうし、監督さん、そして出会ったばかりのボランティアさんともすぐに打ち解け、協力して作業を進めます。


 

昼食後も作業は続きましたが、作業に慣れたこともあり、約3時間という思ったより速いペースで芝植えを終えることができました。広大なグラウンドだけに達成感もひとしおです。芝を植え終わったばかりのグラウンドをバックに、記念写真を撮る方の姿もみられました。



 順調に発育すれば、2か月後の8月末には緑に覆われた芝生のグラウンドが完成する予定です。イベントの発起人を務める日本サッカー協会(JFA)復興支援特任コーチの加藤久さんは、「芝生のグラウンドを利用し、サッカーや野球など、子どもたちと地元の人達が思う存分体を動かしてほしい」と夢を語られました。

日本サッカー協会(JFA)復興支援特任コーチ
加藤久さん

 

しかし上長部のお父さん・お母さん達も、私たちも芝の手入れなどこれまでやったことがありません。植え付け後10日間が勝負と言われる水やりも待ち受けています。課題はいっぱい出てきそうですが、子どもたちが芝の上で走りまわる姿を目指して頑張りたいと思います。

最後になりましたが、全国の皆さまからご支援いただいたシャベルが大活躍しましたことを付け加えておきます。また今後は、大槌など他の郷づくり活動とも分かちあい、活用させていただきます。本当にありがとうございました。

文・山田 写真・阿部