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0704 Taka’s Mouth Painting @ きらり駅

  

7月4日、大槌での活動の際に立ち寄った「福幸きらり商店街」にある休憩所「きらり駅」では、TAKA’S MOUTH PAINTING というイベントが催されていました。

このイベントで絵画を披露してくださったのは、松嶺貴幸さん。16歳の時に遭ったスキーによる事故で頸髄損傷による四肢麻痺となり、手足を使うことができません。それ以来、車いすとヘルパーさんの助けによる生活となりました。

しかし、その後米国留学を果たし、その間に口で絵をかく「マウスペインティング」に出会いました。それまでは絵画の経験は特になく、マウスペインティングを始めてからまだ2年に満たないそうです。

 

当日はきらり駅で実際に鉛筆画を描いてくださいました。車いすで画板の前につき、付き添いのヘルパーさんが差し出した鉛筆を口にくわえ、観客に見守られる中、絵を描いてゆきます。来場者に振舞われたコーヒーの香りが漂う中、出来上がったのはコーヒーをそばにくつろぐライオンの絵でした。「Make Coffee Not Nuclear」という言葉が添えられていました。

口にくわえた鉛筆では微妙な力の入れ具合が難しいのではないかと想像してしまいましたが、こんなに繊細なタッチの表現ができるんですね!

また松嶺さんはこうした創作活動の一方、岩手県内で段差のある店舗にスロープを贈りバリアフリー化を進める「Ramp up Iwate」というプロジェクトも行っているそうです。

身体に障害を持つという逆境の中、出会った絵画の世界で自己表現をし、また積極的に段差解消のための活動をされている松嶺さんに接し、勇気をいただいた思いがしました。

(取材班 飯嶋朋子)