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上長部新設グラウンドでのミニ運動会

 11月8日午前10時より、上長部の新設グラウンドで気仙小学校・長部小学校合同のミニ運動会が開かれました。

 子どもたちの家族だけでなく、村の人たちも数多く集まりました。いつも見かける仮設のお母さんたちや小屋を起ち上げた親爺達の姿もあります。



 「こんな立派な運動場を作ってくださってありがとうございます」。子どもたちから贈呈された花をもって、区長さんたちも顔をくしゃくしゃにしています。「よかったよかった」。「このためにやってきたようなものなんだ」。

 子どもたちにとっても久しぶりの運動会。特に1年生にとっては、初めての運動会です。広々としたグラウンドには白いラインがひかれ、子どもたちが走ります。青空の下、赤玉や白玉が飛び交い、長部集落に拍手や声援がこだまします。


 気仙小学校は長部町に隣接する今泉地区にあり、津波で廃校となりました。現在、この地区で暮らしていた人々は、長部近隣の仮設住宅で新しい生活を始めており、今泉の子どもたち59人も長部小学校の子どもたち77人と机を並べています。

 学校の校庭の多くは仮設住宅で埋まっており、子どもたちにはずっと運動場がありませんでした。運動場だけでなく、家や学校を失い、友達とも離ればなれになり……。いろんなことがあったと思います。そうしたことを小さな胸にかかえてきた子どもたちが、今日は笑顔ではしゃぎ、駆け回っている。そうした姿を、お父さんやお母さんたち、先生たち、村の人たちが目を細めて眺めている。それはあたかも、まぶしい「未来」を見つめているかのような光景でありました。