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オープンハウス11.13に被災者の方100名が訪問

遠野まごころネットオープンハウスが開催され、約100名の被災者の方が福祉センターを訪れました。ボランティアも出店や各ブースで大奮闘。
そもそもこの企画は、まごころ広場でボランティアをしている西岡さんと大槌町の和太鼓グループ「和美東」の大久保さんの思いつきから始まったもの。「こんなイベントがあったらいいよね」というアイデアがこの日に実現しました。
イベント終了後、西岡さんからメッセージをいただきました。

各地の被災者の方およそ100名、ボランティア50名が一緒にラジオ体操をする姿はとても印象的で感動しました。
完全な準備体制が整っていなかったにも関わらず、短時間で会場のセッティングが完了し、お客様をお迎えすることができました。これもボランティアの方々の“熱い思い”によるものだと感じました。
ご足労いただきましたが、皆様には喜んでいただけたようでイベントを開催した甲斐がありました。
今後も遠野から出かけていき支援活動を続けて参ります。まだまだボランティアの助けが必要ですので、ご賛同いただける方は一緒にがんばりましょう。

 

どのような生活をしながらボランティア活動をしているのかは、被災地の方には今までは伝わっていない部分だったようです。宿泊所である体育館に畳が敷いてある様子を見て、「一人一畳で足りるの?」「暖房はあるの?」「女性もここに泊まるの?」「ご飯は?」など様々な質問がありました。お互いの状況を知るということは、非常に意義深いことです。

館内のご案内が終わるころ、朝から準備を進めていた出店がいよいよオープン!伊勢崎テツさんが仕切る出店はいつも大人気。すぐに焼きそばの出来上がりを待つ行列ができました。隣には大きな鍋に入った熱々のスープと焼き鳥屋さん。
秋田のきりたんぽ屋さんには、いつのまにかお母さんたちがお手伝いで集まっています。つぶして、固めて、味噌を塗って…。こんがり焼けて、おいしそうです。
無料の綿菓子は子供に大人気。でもお父さんにも嬉し懐かしのお菓子です。
とてもおいしいコーヒーとお菓子を提供してくださっているのは、さわやか福祉財団さん。ボランティアへのねぎらいとして、定期的に日曜日にも来てくださっています。

ふまねっとは碁盤の目のようにテープで区切ったマス目を一歩ずつ進んでいきます。体だけでなく脳の運動にもなっているそうです。だんだん課題が難しくなるので思うようにうまくいきませんが、それを笑い飛ばしながらひたすら挑戦します。

足湯隊とふれあい隊は、ぬくもりを介して寄り添います。「せっかくだから足湯やってもらいましょうよ。」「お父さんもやっていったら?」と朗らかなお母さんたちを見て、緊張気味だったボランティアが逆にリラックスさせてもらったりします。そして一対一で向き合う特別な時間が流れていきます。

クラシック、和太鼓、伝統芸能に触れた1日でもありました。芸術もぬくもりと同じで、言葉ではない何かが伝わったり、話はしなくても気持ちの整理がついたりします。馴染みのある懐かしい曲などが披露され、みなさん静かに聞き入っていました。「和美東」の大久保さんいわく、「自分たちも被災者ですが、そんな被災者が頑張っている姿を見てもらえればと思います。」とのこと。いったんは楽器も流されましたが、頂きものなどでいつのまにか楽器が集まり、活動を再開させました。

  

閉会式の西岡さんの挨拶では「一度はこの企画が流れそうになりましたが、今日のみなさんの笑顔を見て… 」と言葉が途切れてしまいました。あたたかい見守りの沈黙の後、会場のお父さんから「ありがとーう!」という力強い声援。「本当にこのイベントを開催してよかった。」シンプルで重みのある一言で締めくくりました。

やがてボランティアがお見送りするなか、みなさんが各方面へのバスに乗り込みます。感極まって涙ぐむボランティアも。お互いに「ありがとう」という言葉をかけあっていました。

みなさんがお帰りになった後も、片付けが続きました。長い一日、おつかれさまでした。