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【三閉伊ウォーク】2012年3月5日(月)・第14日目:大槌町吉里吉里駅~釜石市鵜住居駅(9.8キロ・196計キロ)

2012年3月07日  11時39分

釜石市。 人口39,294。世帯数17,606(平成23年10月1日現在)。 東日本大震災による死者888名、行方不明159名。家屋倒壊数3,648棟(平成24年2月13日現在)。


3月5日月曜日、かなりの勢いで降り続ける雪の中、三閉伊ウォークチームの3人は吉里吉里駅を9時過ぎにスタートしました。今日の目的地は鵜住居駅。およそ10kmの行程です。 45号線から離れ、きりきり保育園の横を通り、吉里吉里半島を横断するように走る231号線の山道を行きます。この道は大槌町の赤浜につながる道です。






0305 - 08

途中シカの足跡(末田 談)を発見



赤浜の町へ山道を下りていくと、傘をさした二人の女性が、冷たい雪の降る中、3人を待っていました。「がんばってください」と、温かい缶コーヒーが差し出されます。 3人は感激!しかし、今日この山道を通ることは特に告知していなかったため、 どうして知ったのだろうとお聞きすると、知り合いの方に教えて頂いたのだと言います。 (見てる人は見てるんだなあ!)ひっそりとした雪道を歩き、少し人寂しくなっていた3人ですが、この心強い出会いに、強く後押しをされた気持ちとなりました。



赤浜にやってきました。沖合にひょっこりひょうたん島のモデルとなった蓬莱島が見えます。





ここで訪ねたのは赤浜小学校前の「岡本酒店」さん。この付近でボランティアのハード作業として瓦礫処理などを行う場合、昼休みなどにいつもお世話になっているお店です。 店主の岡本三男(おかもと・みつお)さんは、震災で元のお店を流され、一時無気力になっていたものの、妹さんなどから強くお店の再開を勧められ、昨年の8月に今の場所にお店を再開したそうです。店内には毎月書き換えるという自筆の絵と句が立てかけてありました。強い風にも折れないという、しなやかな猫柳の絵に添えられた今月の句は、 「三月や 向かう明日の いきいきと」。





「三月や 向かう明日の いきいきと」



しばし岡本酒店で濡れて冷えきった身体を休めていると、三閉伊ウォークの3人とともに歩こうと、9人のボランティアさんがやってきました。遠野まごころネットでの活動は基本的に月曜日が休養日となっているため、それを利用して遠野から駆けつけてくれたのです。ひさびさににぎやかなウォークとなりました。ゲンちゃんも偶然通りかかり、またまた激励してくださいました。若林がいつものポーズ!






昼ご飯は大槌町上町にある「おらが大槌復興食堂」。  全員で絶品の「がっつら丼」を頂きました。これはただの豚丼ではありません。地元「三浦精肉店」さんが厳選した豚肉と、大槌秘伝のタレが豚肉の旨さをとことん引き出し、よそでは出会えない、とても深い味に仕上げられているのです。大槌に来てこれを食べないとしたら、それはただただ残念。遠野まごころネットにもファンがたくさんいます。








「おらが大槌復興食堂」と道を挟んだ斜め向かいでは「マルタニ」さんが明日の開店を前に忙しく準備作業を進めていました。写真左は昨年7月からオープンしていた仮設店舗。大槌のハード作業部隊の隊長・末田をはじめ、たくさんのボランティアがいつもお世話になっていたお店です。そのお店が、晴れてこの3月6日に再建を果たした店舗で再オープン!私たちボランティアにとっても感慨深いものがあります。






午後1時半過ぎ、三閉伊ウォークは釜石に入りました。釜石のハード作業部隊の隊長・若林の目がキラッと光ります。「とうとう来たあー!」




しばらく行くとコンビニを発見。3人はさっそく立ち寄ります。 (休んでばかりいないで、もっとマジメに歩いたら・・・?) なんて思う方がいらっしゃるかもしれませんが、違うのです。  長く活動をしている稲田・末田・若林らにとって、この場所はそもそも何も無い土地だったのです。ボランティア活動当初、なにか必要なものがあれば、遠く被災していない内陸の町まで車を飛ばしていかなければなりませんでした。そんな経験が彼らには数えきれないほどあります。だから、嬉しいのです。新しいお店が出来ることが。信号や街灯が町に1つ、また1つと増えていくことが。そして地元の方がそこで前向きに動き出すことが。ちょっと歩けばコンビニの2つや3つ、当たり前に行きあたる、そんな感覚とはまったく別モノなのです。  新しいお店を発見すると、必ず立ち寄ってどんな品揃えなのか、何時まで開いているのか把握する、これはボランティア活動を長く続けてきた彼らがいつしか身につけた習性と言ってもいいかもしれません。




今日の目的地、鵜住居駅前にやってきました。最初、同行したボランティアさんたちの中には「駅はどこ?」と、あたりを見回す方もいました。雪に覆われているせいもあって、よーく注意してみないとなかなか分かりません。線路はもちろん、ホームの黄色い線も雪の下。しかしここには確かに以前駅舎があり、少ないながらも地元の方が生活の足として利用していたのです。いつかまた、ここに列車が滑り込んでくる姿、見たいなあ!








明日の三閉伊ウォークはこの鵜住居駅前から出発します。 チームは一緒に歩いて下さる方を大歓迎!あなたも愉快な3人と一緒に歩いてみませんか? 詳細は遠野まごころネット事務局までお問い合わせ下さい!

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。