まごころネットで夏至日にキャンドルナイトが開催されました。夏至とは一番昼が長く、夜の短い日。初夏である6月の22日前後を指します。夏至をある節目とし、それぞれが願うこと。それは世界平和、地球環境の保護、誰かの幸せなどなど。一人が何かを想い願って、世界中で誰かも同時に願う。キャンドルナイトはそんな時間です。
まごころネットでは20:00から21:30頃までの約1時間半の間、玄関先で電気を消してロウソクの灯りの中で夜を過ごしました。
ペットボトルを半分に切って、下半分にそれぞれが絵を描いたりして綺麗なデザインにしました。その中に砂を敷いて、ロウソクを置く。暗闇の中で灯る炎は容器のデザインを外に映し出していました。そんな美しいロウソクに囲まれた空間の中で司会の二人によるキャンドルナイト宣言が行われた後にまず始まったのは語り部、後藤恭子さん(73)による遠野の昔話。毎日練習していると言うだけあって心を惹きつけるようなお話を流暢に語るその姿にそこにいた一同、ただ真剣にお話を聞いていました。遠野は民話の町というだけあって河童、おしらさま、座敷童など本当にたくさんのお話があります。それらは本などで読むこともできますが、こちらの訛りで語られるそれらはより現実味があり、幻想的でもあり、不思議な空間でした。
語り部の後にはボランティアによる演奏会。アコースティックギターの奏でる弦の音色と段ボール箱による手作りカホンによる暖かみが見事にマッチしていました。楽しそうに演奏をする姿はとても見ていて心癒されるものがあり、演奏中には目を瞑って首を上下にリズムをとる人、空を眺める人、それぞれがそれぞれの楽しみ方で音楽に浸っていました。
キャンドルナイト後半は参加者による一分間スピーチ。ロウソクを渡された人から順に自己紹介と挨拶の一言。しかし参加したみなさんはどうもここへ来た気持ちが非常に熱心すぎたようで、一分間のスピーチのはずが熱くなって大多数の人が時間オーバー。それもまた、まごころネットが成り立つ理由であり、みなさんの個性の強さは本当に話を聞いていて飽きることもありませんでした。
スピーチから次のコーナーに移る間に、そこにいた全員で黙祷を捧げました。そこにいた全員が本当に願いを一つにして目を瞑り、心をも一つにした瞬間でした。
キャンドルナイトの最後を締めくくったのはお馴染みのアフロ森さんによる「この空の下」の演奏。本来この曲はまごころネット事務局員の千葉和さんが今回の震災のために作った曲ですが、急病により千葉さんが倒れてしまったことで急遽、森さんが演奏することになりました。アコースティックギターを手に持ち、演奏する姿はいつもと全く違う一面でした。「この空の下」の演奏・合唱をして今回のキャンドルナイトは幕を閉じました。
キャンドルナイト終了後の片付けも本当にみなさんテキパキと片付けてくれて、流石まごころネットのボランティアだと思わせるような光景でした。
美しいキャンドルに囲まれて、素敵な音楽、遠野のお話、同じボランティア仲間による熱いスピーチを目の当たりにした私たちは、この節目である夏至という日にまた大きな「まごころ」をその空間に創りあげました。