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時間の止まった町 ~宮城県山元町~

2012年4月26日  20時17分

 4月24日(火)、宮城県山元町のボランティアセンターに物資班 菅野・藤井の2名で椅子の引き取りに伺いました。

その際に見た光景の写真や個人的な感想をここに記します。

 

 山元町は、宮城県沿岸の町としては最南部にあり、福島県相馬市と県境を接しています。

 

 山元町のボランティアセンターでは常駐のスタッフ2名と一般ボランティア3名のわずか計5名で活動していました。

 

 皆さんは、普門寺というお寺で寝泊まりしており、さらに、被災して半壊した普門寺の住職さんの自宅をブルーシートなどで応急修理し、そこを「山元町 おてら災害ボランティアセンター(通称「テラセン」)として活動拠点にしていました。

 

宿泊所になっている普門寺と住職さんの自宅「おてら災害ボランティアセンター(通称:テラセン)」

ライフラインがまだ復旧していないため桶の泥水で食器の下洗いをしていました。

周りの景色を見渡すと、本当に何も無くなっていて、人影のほとんどない町です。

 

岩手の沿岸被災地と比べて大きく異なるのは、重機の姿がまるで見えないということ。

 時間は止まっていました。

JR常磐線 山下駅の痕

 

被災した小学校

被災し壊れたままの体育館

あたりを吹き抜ける風の音と、風に煽られて時折舞い上がる砂塵だけが、わずかに動きを感じさせます。

あとは、ところどころに無造作に山積みされたガレキが、静かに存在感を発しているだけです。

 

 

多数の犠牲者を出した自動車学校跡地

正直なところ、岩手の沿岸被災地と比べておよそ半年以上は復旧が遅れているように思えました。

再生への希望が見える、というよりも、愕然と立ち尽くしたというのが率直な感想です。

そうした中でもがんばってらっしゃる「テラセン」の皆さんには心から敬意を表します。

荷物の積み込みを手伝ってくださったボランティアの女性と物資班 菅野

遠野まごころネットとして、今後も力になって行きたいと思っています。

 

(写真・文 物資班 藤井一慶)

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。