大槌町小鎚地区では川に沿って仮設住宅が建てられています。その川を上流にのぼっていった一番奥の仮設住宅となるのが、廃校になった小鎚小学校グラウンドに建てられた小鎚第3仮設住宅です。(11世帯)
4月30日、この小鎚小仮設でお花見の会を開きました。
きっかけは、他の仮設住民の方々の「お花見したい!」という声から。
そこの仮設住宅近くには桜もお弁当を広げる場所もなかったこと、
奥まった場所にあるこの場所にはなかなか他の方達が訪れる機会がないことから、
せっかくなら小鎚小にみんなをよんで、ここでお花見をしようとなりました。
2~3日前までは全く咲いておらず、どうかなあと心配してたのですが、暖かい日が続き、一気に満開となった最高のお花見日和でした。
近隣の小鎚第2・17仮設と小鎚第5仮設にお知らせし、希望者は車で送迎。
いつもお茶っこの会にも参加してくれている小鎚小の近所に住む地域の方々や、仮設へ訪ねてこられたご家族なども遊びにきてくれ、総勢30名ほどになりました。
「ここにいたの?」
知り合いに久々に会って、そんな会話も。
大槌で活動していると、「あの人はどこどこのお姉さん」「あそこで働いていた人」など、知り合いにたくさん遭遇します。都会にはない地域のつながりを感じます。
若い男性ボランティアと子どもたち。
一緒に遊んでくれる元気なお兄さんはずっと子どもに大人気。
でも、お兄さんの方は「疲れた―!」
落語家 喜怒家哀楽さん
素人の落語家さんですが、とっても面白くて、みんなでたくさん笑いました。
ハーモニカで・手品はミスターリックさん。
演奏は、歌詞カードを用意、みんなで歌える歌が好評でした。
「こっから節」。照れながらも、始まるとのってきて、みんな大喜びです。
みんなでもちよったお弁当を一緒に食べます。
たくさん作ってきてくれた人たちがみんなにおふるまいしてくれ、お腹いっぱいおいしく頂きました。
お料理上手な方はたくさんいらっしゃいますが、1人暮らしだと中々、作る気がしなくなる、1人で食べるのは寂しい、という声を聞きます。
「たまに、こんなふうに皆でご飯を食べるだけでとっても楽しい」
「たくさんつらいことがあったけど、こうやって皆で笑って元気をだして乗り越える機会をあたえてくれてありがとう」
ボランティアに漏らす一言一言に、いつもいろいろと考えさせられます。
最後に仕事から帰ってきて駆けつけてくれた住民の方による民謡披露。
震災後は子ども達と一緒にイベントや仮設住宅などを周っている大槌の民謡グループの方です。
満開の桜のもと、地域やいくつかの仮設から集まった住民のみなさん、ご家族、ボランティアみんなで楽しめたお花見の会となりました。
報告(文・写真) 大槌班 辻本由希子