ホームページ上で募集をさせていただきました古い着物を使っての「着物リメイク講座」を 大槌町内の2か所の仮設団地で開催しました。
きっかけは、住民の方だけで長く続けられる洋裁サークルを作りたいという声が地域支援員(※)の方から出たためです。
※地域支援員
大槌町で今年2月からスタートした制度。仮設団地の集会所に仕事として駐在し管理人的役割を担う。その仮設の住民である場合も多い。イベントの企画・運営は業務外となっているため、企画したくてもできない状態にある。しかし、日々住民に声掛けをし、ニーズを肌で感じ取れる最前線にいる方たちでもある。そのため、支援員が入った大槌町の仮設のコミュニティー支援の第2ステージとしては、支援員からニーズを聞き取り、代わりに企画立案をし、それを住民主導につなげていくお手伝いをすることが大切と考えている。
講師に岩手県の環境アドバイザー小赤澤直子先生を招きました。当日は30分以上前から裁縫箱を持ったみなさんが近隣の仮設やご近所から集まって椅子が足りなくなった程の盛況ぶりでした。
先生は、NHK朝ドラ「カーネーション」の主人公のように型紙を使わずザクザク着物を切ってスカートやズボンを作るということで、作品をみなさんに見せると・・・
まず、みなさんご支援頂いた着物を 一着選びます。 そしてズボンにするかスカートにするか決めます。
いよいよ実演。襟の部分は切り取ってベルト代わりに使うなど、着物の形を生かして洋服にしていきます。
「自分たちで集会所を借りて今後も続けていこう!」という声が上がり、これから週1,2回 自主サークルとして着物リメイクをやっていくことになりました。先生も、まごころネット経由ではなく、住民の方が直接連絡先を聞いて呼んでもらうようにしました。
毎回先生が来られるわけではありません。
小赤澤先生のモットーは「今日覚えた人が次の先生!」
スカートを習った方はズボン組に、ズボンを習った方はスカート組に、教えあって進めていくことになります。
ズボンは一日では仕上がらないため、仕上げ方を先生に習って、次のサークルの時間にみんなで作ることにしました。
全国の皆さまからご支援頂いた着物と小赤澤先生のアイディアが、洋裁サークルの船出を大きく後押ししてくださいました。住民の方の熱気と完成したときの笑顔が写真で伝われば幸いです。ご支援くださった皆さま、小赤澤先生、ありがとうございました。
最近の活動で感じることは、何でもボランティアがやってしまうことが良い時と悪い時があるということです。こちらが全部おぜん立てをするよりも、みなさんにお任せした方が、「糸は自分で買ってくるのが良いのか?それともサークルに会費を取る方がよいか?」
など、みなさんで話し合ってどんどん事が進みます。
ボランティアが何でも持ってきてくれ、何でもやってくれるから、大槌の人が何もしなくなってしまう!と心配する方もいます。
ですので、今回はきっかけとして材料の支援と先生のご紹介をしましたが、これからは住民の方で進めて頂くことにします。
自分で主体的に何かをしたいというお気持ちの方も、まだ何もする気になれないから支援が必要という方もいて、
難しいところではありますが、自立の妨げや、一か所に支援が集中してしまう
「支援格差」
が出ないよう、私たちも日々考え悩みながら活動をしています。
今後もご理解とご協力をどうぞよろしくお願いします!
尚、今回 大切な着物をダンボール箱にして約30箱も送っていただきました。
サークル支援には充分すぎる量でしたため、サークルがない仮設や地域の方にも行き渡るよう、一部を大槌町の社会福祉協議会(仮設や在宅地域に訪問したり、最近はお茶っこ活動を始めている役場の下部組織的な団体です)のお茶っこ活動でも役立てて頂いています。
こちらでは牛乳パックに着物の生地を張って箱や椅子を作っていて、みなさんに喜ばれているそうです。
現場の判断でまわしてしまったことをどうぞご了承ください。
(文 写真 山本)