5月26日(土)、大槌町小槌の「まごころの郷2」で「安渡産大槌復興米」の田植え式がありました。
「安渡産大槌復興米」は、安渡地区出身で小槌の仮設にお住まいの菊池妙さん(71)が2011年の10月中旬、津波に流され基礎ばかりとなった自宅跡で、玄関脇にたよりなさげに実っていた3株の稲穂を発見したのがことのはじまり。安渡地区にはもともと水田は無いため、「なんでここに稲が」と驚くとともに、いったいどのように流れ着いたのかと胸がつまったそうです。
妙さんはさっそく3株分の稲穂を住まいに持ち帰り、「安渡産大槌復興米」と名付けました。その後、妙さんの中学時代の同級生・臼澤康弘さん(71)や遠野まごころネットスタッフほか、多くの協力者が加わって育成チームが誕生。種もみから苗へと大切に育てられました。
そして迎えたこの日の田植え式。あたたかい陽気にも恵まれ、地域の方など、およそ25人ほどがひょっこりひょうたん島をかたどった小さな水田の周りに集まりました。
まずは妙さんが水田に。
小さな苗をそっと水中に差し入れるその表情には、万感の思いが込められていました。
続いて、集まった皆さんで少しずつ、にぎやかに植えられていき、およそ30分ほどで水田一面にきれいに苗が並びました。
妙さんは、
「今後も時間のある限り足を運び、臼澤さんや地域の皆さんと一緒に、
孫のようにも思えるこの稲たちの成長を見守りたい」
と話していました。
(取材 映像班 高木敬茂)