6月16日、陸前高田市小友町の新田(にいだ)地区で、「はるかのひまわり」の種をまくイベントを行いました。
「はるかのひまわり」は、阪神・淡路大震災で亡くなったはるかさんという小学生の女の子の、自宅跡に咲いたひまわりの花に由来するものです。震災の年の夏に、はるかさんの自宅跡にたくさんのひまわりが咲きました。その種を地域の方たちが集め、日本各地で毎年育て続けられています。復興の象徴として新潟県中越地震の際にも被災地に届けられ、人々を励まし勇気づけました。
昨年は東北の被災地にもたくさんのはるかのひまわりが花開きました。このひまわりを通して、震災の悲惨さと教訓、命の尊さ、人と人のつながりの大切さが伝えられています。
小友町は、広田半島の付け根にあります。広田湾と大野湾の両側から津波が押し寄せ、渦まいた場所で、甚大な被害を受けました。
ひまわりの種をまいた田んぼには、食器や灰皿などの生活用品、ホタテや閉じたままのカキの貝殻などが残されており、津波の痕跡をまざまざと感じました。土の中に残された瓦礫(釘やガラス片等)でケガをする可能性があるため、田んぼに足を踏み入れず、泥団子に種を埋め込んだものを外から投げ込んでいく方法で種まきをしました。
当日は朝から曇り空でしたが、新田地区の方たちが大勢集まって下さいました。代表の方のお話では、仮設・在宅の区別なく、この地域のほぼ全世帯から参加されていたそうです。
種を提供して下さった滝の里仮設にお住まいの方たち(上長部地区出身だそうです!)と、学生ボランティアの皆さんも一緒になって、種まきの準備が始まりました。
いよいよ種まきスタート!
泥団子のひとつひとつに思いをこめて、勢いよく遠くに向けて投げる人、そっと置くように優しく投げる人。
泥団子作りも種まきも、大人たちにとってはどこか童心に返るような楽しさがあり、和やかな雰囲気の中で作業が進んでいきました。
楽しくお喋りを交わす中にも、地元の方たちからリアルな震災当時のお話をうかがう場面もあり、とても意義のある時間となりました。
「はるかのひまわり」を通して、いろいろな人たちが繋がれたこと。このことが、今回のイベントの一番の収穫だったと思います。
繋がった人々の思いがつまった、たくさんのきれいな花が咲きますように…
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
(文 吉川 写真 釘子)