地域応援隊は震災後まもなく避難所での活動を開始して以来、足湯の活動を通して、コミュニティー支援・地域サポート支援を行ってきました。
7月13日、陸前高田市佐野仮設にて足湯とお茶っこを開催しました。仮設住宅の敷地入口付近にテントを張り、足湯を行いました。この仮設は高台にあり、前の道からは海を見下ろすことができ、晴天の暑い日ではありましたがテントの日陰を吹き抜ける風が心地よく、お話が弾みました。皆さんが畑で野菜やお花を育て始めたという話が出て、畑を案内していただくこともできました。
この日は、遠野市立土淵中学校2年の佐々木悠苗さんが体験学習として参加し、他のメンバーと共に足湯とハンドケアを提供。住民の方は「若い子が来てくれて。ありがとうね」と喜んでくださいました。
地域応援隊は天候が問題なければなるべくテントを使用して屋外で実施しています。
それはなぜかというと、地域のコミュニティ作り促進のためには、閉じた場よりもオープンな場で行うことで多くの住民の方が参加しやすいものとなるからです。確かに、屋外テントでお茶会をしていたら「なんだろう」とそばに寄ってみたくなりますよね。
仮設住宅に入った皆さんは、それまでのご近所さんとはバラバラに離れ、知らない環境の中で自分の部屋に閉じこもりがちになります。足湯やお茶っこなど、住民同士が顔を合わせる機会をもつことで、住民がつながり、助け合えるコミュニティができ、一人では困っていたことも地域で解決できる関係づくりを目指しています。
佐々木さんの感想文をご紹介します。
「ボランティアに参加して」
遠野市立土淵中学校2年 佐々木悠苗
私は今回、総合学習の社会体験学習で、陸前高田で「足湯・お茶っこ」のソフトボランティアに参加させていただきました。春休みにも一度ボランティアに参加したことがあったのですが、その時は瓦礫撤去というハードの方だったので、今回は初めての経験でした。
高田に行く前に講習を受けて、心構えからマッサージの仕方まで全部教えていただきました。
私たちは、高田の仮設住宅に向かいましたが、実際にボランティアに行って感じたことがあります。それは、「さみしさ」です。なんと向こうでは隣が誰かもわからない、地域やコミュニティがバラバラになった状況なのだそうです。それは何だかさみしいなあと思いました。私はうまく会話することができず、今回の体験で改めて、コミュニケーションの大切さを学んだわけですが、つらいときほどコミュニケーションはとても重要なものではないかと思います。つらい状況に立たされ、そのつらさを共有できる人もいないとなると、どんなにさみしい思いをされているのだろうと、心が痛みました。また、うまく会話ができなかったのは、皆さんが津波の日のことを話して下さったにもかかわらず、大きな被害を受けていない私が、気軽にお話をして良いものか、とても迷ってしまったからです。しかし、仮設住宅へ行って声をかけると、皆さんは笑顔で返してくださいました。すごく嬉しかったし、これもまごころネットがこの活動を震災直後からずっと続けてきたからこそなのだと思いました。
仮設住宅の皆さんは、野菜づくりやお散歩などを楽しんでおられました。状況は全く変わっていないわけではなく、少しずつ立ち直ろうとしていることが分かりました。
井上さんもおっしゃっていましたが、私たちは当事者にはなれません。だから、仮設住宅の皆さんの気持ちを全部理解するのは難しいと思いますが、それでも、少しでも皆さんの心に寄り添えたらと思いました。
今回は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。