遠野市綾織町で代理栽培をしている福島県飯館村産の『いいたて雪っ娘かぼちゃ』が順調に育っています。
・いいたて雪っ娘かぼちゃとは?
・いいたて雪っ娘かぼちゃ種植えの様子
6月1日の種植えから2か月。発芽したかぼちゃは順調に成長し、大きくつるや葉を広げました。黄色い花があちこちに咲き、よく見てみると小さなかぼちゃの実がいたるところに。なかには20cm大まで大きくなっているものもあります。
今回の作業は大きくなったかぼちゃにネットや台座をつける作業。台座とはかぼちゃと地面が直接くっつかないようにするためのもの。地面に接している時間が長いと、その部分が腐食してしまうため、それを予防するためのものです。
作業に参加して頂いたのは北海道にある立命館慶祥中学校・高等学校の生徒さん達。
観光開発講座に在籍しており、東北ボランティアへの参加を呼び掛けたところ、7人の生徒さんが希望したそうです。被災地のボランティアに来られたのは今回が初めてだそうです。
引率されていた箭内健(やないたけし)先生は、
「震災から1年もたっているし、今ボランティアに行って何かできることがあるのだろうか?と思っていました。ですが実際に来てみると、瓦礫撤去だけではないさまざまな活動があるんだということ、そして活動支援はまだまだ長期的に必要だという事がわかりました。」
と、こちらに来る前と実際に来た後の印象を聞かせてくださいました。そして、作業をしているみなさんを見守りながら、
「できれば来年も同じ講座でここへ来たいと思っています。ここにいる生徒たちもOB・OGとして一緒に。」
と、話しました。
さらに7人の生徒を代表して、小林海斗(こばやしかいと)君は、
「瓦礫撤去がまだ終わっていないことに驚きました。ボランティアセンターの方が、『瓦礫の片づけだけじゃない。人の心を癒す事もボランティア活動だよ』と言っていたことに心を打たれました。暑くて大変だったけど終わったら達成感であふれました。ボランティアに来てよかったです。」
そう笑顔で話すと、再び鍬(くわ)を片手に作業に戻りました。
綾織の畑には、大小合わせて60個ほど実ができています。このまま順調に育てば8月下旬から9月頭に収穫できそうです。様々な人たちの思いが込められた『いいたて雪っ娘かぼちゃ』。収穫の時期が楽しみですね。
(文・写真 取材班 佐藤雅也)