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0804-05 けせん朝市の七夕祭り

2012年8月20日  18時00分

陸前高田未来商店街の中で毎週土曜日と日曜日に催される「けせん朝市」。8月4日、5日はけせん朝市で七夕祭りが行われました。

お祭りに使う山車は、地元の方とボランティアの手によって作られたものです。障子貼りや周りの装飾品も全て手作り。立派で迫力のある山車が完成しました。土台になった山車は、けせん朝市を取りまとめる伊藤さんが矢作町(同市)から運んできたものでした。「私が住む、矢作町では山車が数年間使われずに眠っていた。壊してしまうという話も出たが、住民間で話し合い、朝市を盛り上げるために使用させてもらった」という地域と地域を繋げる想いがあったようです。

下矢作保育園と竹駒保育園にご協力いただき、障子に元気いっぱいの絵が描かれています。「未来を築いてゆく子どもたちの絵を使用したい」という朝市の方々の想いが含まれており、見た人が笑顔になれる山車に仕上がりました。園児たちが楽しそうにクレヨンを持つ姿が目に浮かびます。

辺りが暗くなると、行灯が私たちを灯します。点灯した瞬間、「わ~!」という歓声と拍手が起こりました。この飾りをよく見てみると、紙コップ!

これは、休憩所で販売しているコーヒーの紙コップからできています。飲み終わった紙コップにけせん朝市や陸前高田へのメッセージを書いたものです。「がんばっぺし!陸前高田!」「おいしいコーヒーごちそうさまでした」「必ずまた来ます!」などと書かれた紙コップ。沢山の想いがつまった約600個の紙コップはこのように飾らせていただきました。「あ!私が書いた紙コップあった!」来市したお客さんからも祭りに参加できた喜びの声が聞こえていました。

昼も夜も太鼓の生演奏が響き、祭りの雰囲気がより一層アップ!和太鼓タヲさんは3月にもけせん朝市で演奏をしてくださっています。その際も大変盛況で、まだ寒かった陸前高田の春を熱気に包んでくれました。今回も、お客さんを巻き込んだ演奏が大盛り上がり!和太鼓タヲさんは下町で活躍する太鼓集団。震災後は被災地でも演奏を行い「少しでも朝市のみなさん、お客さんが元気になれば」と願いを込めて太鼓を演奏します。観客からは「いや~みんな楽しそうに叩いているね!とってもいい!」との声が上がり、笑顔で手拍子する姿が見受けられました。

また、魚店魚力さんが新鮮なホタテ、イカ、タコを焼いてお客さんの胃袋をがっしり掴みます。食欲をそそる香ばしい匂いに、みんな思わず立ち止まっていました。大船渡漁港から魚を仕入れ、新鮮な魚介を提供しています。魚力さんは、陸前高田市出身の千昌夫の「北国の春」「一本の松」を流し、威勢のいい声でお客さんを呼び寄せます。「イカが穫れないのでその分、ホタテを多めに焼きました。1人では大変だけどたくさんの人が手伝ってくれたのでよかったです。」

このように、けせん朝市の七夕まつりは多くの人の手によってつくられています。日本のみならず、全国各地からけせん朝市を訪れた人々の被災沿岸地域「復興」の想いがつまった七夕まつりの山車。太鼓演奏につられてやってきた地元のお客さんも、朝市に出店している靴屋さんもミシン屋さんもとても嬉しそうな表情をしていました。朝市を取りまとめる伊藤さんは「いつもボランティアさんにお世話になっている。テントも全国の方からご支援いただいている。感謝の気持ちを込めて、みんなで楽しみたい。みんなに喜んでもらえたらいいな。」と話してくれました。

陸前高田では、200年以上も前から朝市の歴史があります。そんな朝市で、陸前高田を活気づけよう!復興に向かおう!と立ち上がったのが今の朝市です。地元の商店や魚、花、乾物、そして採れたての野菜….小さな商店街の様に並んだテントから「いらっしゃい!」と呼び声が聞こえてきます。今では、近所にお住いの方だけでなく、昔から贔屓にしている店を目当てに少し離れた仮設住宅に住む方もやってきます。時には、ボランティアで陸前高田を訪れた方や、県外から一本松を見に来られたご家族の姿も目にします。

陸前高田にお越しになった際にはけせん朝市にお立ち寄りください。ここには、地元住民自らの力で「復興」へと立ち上がる確かな姿がありますよ。

(文・写真 山田エリナ)

陸前高田未来商店街ウェブサイト: http://mirai-shotengai.jp/

和太鼓タヲ: http://www.tawoo.tv/

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。