遠野まごころネットが今年、行っているプロジェクトの一つに「いいたて雪っ娘かぼちゃ」の代理栽培があります。福島県飯舘村のブランド野菜であるかぼちゃ。飯舘村は原発の半径20キロ圏内にあり、野菜を育てることはおろか、人が住むことすらできません。そこで、遠野まごころネットは代理栽培をして種を絶やさないという新しい復興活動を始めました。
そのかぼちゃの生育状況や収穫時期を見ていただくため、福島から、かーちゃんの力・プロジェクト協議会の会長渡邊とみ子さんがお越しくださいました。渡邊さんは、かぼちゃの一つ一つをじっくりと見ると「どこに出しても恥ずかしくない出来。このかぼちゃが福島だけでなく、遠野のブランドにもなってくれるとうれしいです。」と話し、今回の代理栽培の出来を喜んでいました。雪っ娘かぼちゃは品質にこだわり、寒さに強い品種改良がされています。渡邊さんたちが長年にわたって研究されたかぼちゃは冬も毛布を掛けておけば凍らずに2月頃まで腐らないという事でした。いいたて雪っ娘かぼちゃの商品シールを貼り、今回の代理栽培は成功に終わりました。
残すは収穫のみとなり、「今度は遠野の方々を集めて、いいたて雪っ娘かぼちゃの試食会を開きましょう。」という渡邊さんの話に「早く食べたい!」と皆楽しみにしているようでした。
福島では、いつから農業が再開できるのか目途がたっていません。遠野でこのかぼちゃをうまく育てられるのか、品種を守れるのか不安もありましたが、多くのボランティアの方に草取りや水やりをしていただいたおかげで問題なく生育することが出来ました。ありがとうございました。
(文・写真 及川将志)