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「やってまーれ!やってまーれ!」天地人みちのく縦断ツアー「雲漢」で陸前高田市が一つに・・・・・・

2012年10月21日  19時40分

「天地人」が陸前高田市立高田第一中学校でみちのく縦断ツアー「雲漢」を公演した。体育館に約300名ほどの地元住民が集まり、迫力のある演奏を全身で楽しんだ。

天地人は、元オフコースの大間ジローさんをはじめ、和太鼓奏者の大沢しのぶさん、そして津軽三味線奏者の黒澤博幸さんの3人からなるインストルメンタルバンド。3人とも北東北(青森、秋田、岩手)出身。被災地に対する想いは強い。

                 

和太鼓の町、陸前高田。やはり、太鼓好き、祭好きが多く開演前から客席がざわざわしている。時間になると、まず元気いっぱいの子どもたちが力いっぱいばちを振って現れた。彼らは、奥州水沢颯人(SATS/サッツ)和太鼓乃会。大人顔負けの息の合った演奏、真剣な表情で来場客を魅了した。

     

 津軽三味線「黒澤会」の演奏や、天地人とサッツの合同パフォーマンスが体育館の温度を上げる。最後には体育館が一つになり、手をつないで輪になった。おじいちゃんも、おばあちゃんも小さな子ども達も、会場の手伝いをしたボランティアも、みんなが笑顔で「やってまーれ!やってまーれ!(津軽弁で、みんなでやろう、やっていきましょうという意味)」と天に向かって叫んだ。

                  

 

黒澤さんは、津軽三味線奏者仲間を大槌町で亡くした。自身も震災直後から大槌町に入ったが、「大槌は最初の立ち上がりが遅かった。悔しい」と話す。地元盛岡のボランティアセンターや役場、国土交通省にも身を乗り出した。「最初の大槌を見ているからこそ」これが黒澤さんの原動力だった。

みちのく縦断ツアー「雲漢」では、会場でアンケートを配っている。ツアー最終日の11月28日、会場は憲政記念館。被災地の「声」を伝えるにはぴったりの場所である。被災地での復興支援コンサートは、今やさほど珍しくない。しかし、天地人は、音楽をも被災沿岸部の声を拾うツールに変えた。「それぞれができることを、できる範囲で行っていくことが大切だと思います」と大間さん。人々の心を繋ぐため、天地人は今日もどこかで音を奏でているのだろう。

     

 

今回の公演の運営・設営ボランティアのお礼として寄付金をいただきました。「サンタが100人やってきた!プロジェクト」の活動資金として使わせていただきます。ありがとうございました。

 

(取材班 山田エリナ)

 

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。