私は大船渡で行われたチャリティーバザーのお手伝いをさせていただきました。
地域の仮設公民館をお借りし、世界中から送られてきた服や布団・カイロ・マスクなど、様々な生活用品をならべ、代金は値段をつけず、代わりに募金をしていただきました。集められた募金は全て、津波で流されてしまった公民館の運営費用にあてられるとの事。
まだまだ仮設住宅に住む方も多い地域ですが、多くの方が楽しみにしてくださったようで、開催時間よりも早くから、地元の方々が多く集まり、まだかまだかと心待ちにしているようでした。
私は衣類スペース担当だったのですが、これから迎える冬のため、コートなど暖かいものはありがたいと笑顔で語ってくださった方が多くいたことが印象的でした。まだまだ多くの物資が倉庫に保管されている状態なので、少しでも早く、多くの人のもとに物資を届けることができたらと思います。
バザー後は、地元の中学生による太鼓をバックに七福神がおどったり、もちまきをしました。
開催する側も見ている側も、子供から大人まで本当にこの行事を楽しんでいたように感じ、一人一人が復興に向かって前向きに頑張っている姿を間近で見ることができ、思わず涙ぐんでしまいました。
そして、ボランティアの方々へのお礼として、さんまを大量に頂きました。地元の方にさんまのさばき方を教えていただき、初めて自分でさんまをさばき、刺身にして食べました。
地域の食生活にふれることの喜びとともに、新鮮な海産物を食べ慣れていない私にとって、さんまの美味しさは感動でした。また、地元の方々と話していた中で一番心に残ったことは、
「忘れられることが一番悲しい。若い人がこうやって来てくれるだけでもありがたい。」
と言ってくださった方がいたことです。
私はこの活動を経験させていただいたことをもとに、周りの人にもっともっと情報を発信し、Shereしていきたいと思いました。そして少しでも多くの方が現地の状況を知り、東北に足を運ぶ方が増えたらと思います。
まごころネットさんに参加させていただいて、まだ日は浅いですが、毎日が刺激的で、地元の方々とふれあい、人のあたたかさ、力強さを感じる事ができ、とても充実しています。残りの期間、精一杯楽しみつつ、積極的に行動していきたいと思います!本当にステキな思い出をありがとうございます!
また参加させて下さい。
(記事・写真:参加ボランティア 鬼形菜々子さん)
【補足】
今回チャリティーバザーを行ったのは大船渡市大船渡町の平(ヒラ)と云う地域です。
全240世帯のうち約40世帯のお宅が被害を受け、今は仮設住宅やみなし仮設、自宅を修繕しながら暮らされています。公民館も流されたのですが、支援によって新しいプレハブの公民館が最近建ちました。この日、震災以降初めての地域行事として伝統芸能の七福神の舞・もちまきが行われる事になり、その前にまごころネットとしてチャリティーバザーを行わせて頂きました。当初より、まごころネットにも全国は勿論、世界中から沢山の支援物資を送って頂きましたので、多くの皆さんにお渡しでき喜んで頂きました。本当にありがとうございます。
ただ、今は以前のように仮設住宅や地域の皆さんを対象にして物資配布会を行うような時期ではないのです。必要であればご自身で選んで買う事もできるし、仮設店舗や地域のお店もできてきています。それでも、独居のお年寄りや、街までの交通がままならない方、生活が苦しい方、何らかの理由があって支援が必要と云う方には、状況を把握し直接お渡しています。まごころネットにもまだお渡しできていない物資があるので、今回はお好きな物を選んで頂き、お気持ちを募金として頂くようにしました。
この募金は地域の公民館費(自治会費)として活用して頂き、震災以降全く行われることができなくなっていた地域の行事やお祭りを再開して、以前のようなコミュニティーを復活させて頂くことが目的です。
物資をお送り頂いた方の中には「無料でお渡ししたいのに何でお金を取るのだ!?」「人の行為を好き勝手に使うな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは日々状況を見・聞き・感じ活動しており、今回は以上の理由により、チャリティーバザーを行わせて頂きましたのでご理解頂ければと思います。
そして今後とも宜しくお願い致します。
(文・大船渡班)