【2013年1月29日(火) 釜石市 箱崎町 】
この日は2013年になってから活動が少なくなっていた箱崎町での作業がありました。
箱崎町に向かう途中、まず釜石市役所に寄り、融雪剤を2袋いただきました。それを箱崎への道すがら、路面凍結した部分に撒きました。
さらに、仮設住宅の前に張った氷をスコップ(剣先・角)、バール等の道具を使って割りました。一見厚くて固そうな氷ですが、アスファルトと氷の間に水や空気が入っていて、その隙間にスコップを入れると、「バコッ!」と簡単に割れます。それがなかなか爽快!みんな集中して氷を割っていました。
お昼は一昨年からボランティアによくお味噌汁の炊き出しやお茶っ子をしていただいている地元のご夫婦のお宅におじゃましました。そして、野菜の甘みが食欲をそそる温かいお味噌汁をいただきました。これが本当に美味しく、体に染みわたりました。
暖かい部屋でこたつにあたらせてもらうのは、とてもありがたいです。雪かきで体は熱くなっていても、足は氷のように冷たくなっていたので、つま先まで暖まらせていただきました。
長期ボランティアで普段からご夫婦と親しい付き合いのある嘉松さんは、この家の壊れたドアノブを修理していました。
そして午後は、箱崎トンネルの出入り口の道路に張った氷を割りました。
箱崎トンネルは、箱崎町の人にとって、あの日の悲惨な出来事を思い出させるのであまり通りたくはない場所です。
私たちは、悲しい出来事が再び起こらないようにという思いを込めつつ氷を割りました。
箱崎町の人々はボランティアと非常に距離が近いです。
箱崎町にはこちらのご夫婦のような親切でフレンドリーな方がたくさんいらっしゃいます。
これは、箱崎町ファンのボランティアが多い理由の一つです。
箱崎町での活動は少なくなってしまいましたが、「忘れられた」「もう来ない」と思われないように関わりを保っていきたいです。
例えば、お隣の大槌町のはーぶの郷でお茶っこに箱崎町の人々を招いたりするなど…できたらいいな、と思います。
今、箱崎町では被災した小学校の取り壊しも終わりました。これでもう津波の被害に遭った建物はほとんどなくなりました。そして新しいものも作られ始めています。たとえば下右の写真は漁具の倉庫だそうです。
東北の冬は長くて厳しいですが、一日一日、少しずつ、春に向かってはいます。
昨年の夏の間、埋め立て予定地から移しかえた水仙の球根達がいっぱいの花を咲かせてくれる季節に、早くなって欲しいなと思います。
(文・写真 ボランティア 小林美樹 写真※最下段2枚 ボランティア 嘉松 晃)