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【「翼」独日高校生交流プロジェクト】2017年夏・最後の派遣(8/4更新)

2017年8月04日  09時55分

岩手県の高校生をドイツに派遣し、異文化に触れて見聞と視野を広めてもらい、将来の東北復興の力になってもらうことを目的とした「翼」独日高校生交流プロジェクト(主催:NPO法人絆・ベルリン。共催:ロバート・ボッシュ財団、NPO法人遠野まごころネット)。第五期となる今年2017年はプロジェクト最後の派遣となります。沿岸そして内陸から選抜された6人の派遣生達の最後の旅の模様をリポートします。

 

◯7月24日(月)

岩手から東京への移動日。

最寄りの新幹線の駅からそれぞれ東北新幹線に乗車して合流。成田へ移動しました。


ホテルでは、4回のオリエンテーションで練習してきたグループプレゼンテーションと個人プレゼンテーションの最後の確認と仕上げをしました。

 

 

7月25日(火)

いよいよベルリンへ出発。

ヘルシンキの空港で乗り継ぎをし、ドイツ時間で18時頃、無事にベルリンへ到着しました。

空港のロビーでは、絆・ベルリンのみなさま、ホームステイ先のご家族のみなさまが待っていてくださいました。

緊張気味だった派遣生たち、ドイツのみなさまに会うと同時に笑顔がはじけ、笑い声が飛び交いました。


この日はそれぞれのホームステイ先へ移動して終了。翌日から約一週間のプログラムがはじまります。


1週間どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

◯7月26日(水)

プログラム初日。はじめにベルリン市庁舎を見学させていただきました。

絆・ベルリンのみなさまより今回のプログラムについてご説明いただいた後、

 

庁舎内をまわりながら市庁舎の歴史について説明を受けました。

派遣生はみな興味津々で話を聞いていました。

 

お昼は庁舎内の食堂でいただきました。

午後は市内を歩きながら史跡見学。聖ニコライ教会や改修中のベルリン王宮、ブランデンブルグ門をまわりました。

 

 

ベルリンはこの3週間ほど雨が降り続き、例年にない異常気象だそうです。

この日も朝から雨で天気がなかなか回復しなかったため、プログラムを早めに切り上げることになりました。

あいにくの天気でしたが、終了後、ホームステイ先の方々と交流する時間ができたのではないかと思います。

 

 

◯7月27日(木)

ベルリン滞在3日目。

再生可能・持続可能なエネルギーづくりに力を入れているドイツ。この日は、効率的なエネルギーづくりに関わっている約100社の企業が集まるヨーロッパのエネルギーフォーラム「EUREF」を見学させていただきました。

 

日本では見たことのない装置や取り組みに、派遣生たちは目を丸くしていました。

午後はポツダム広場へ移動をし、今日に至るまでの都市計画について学びました。

 

ソニーセンターも通過しました。

近代的な建物に派遣生たちは圧倒されていました。

 

その後は、ベルリンの壁記念碑へ移動をしました。

 

実際に壁を見て、触れて、説明を聞き、ベルリンの歴史を垣間見て、派遣生みなさんそれぞれ感じるところがあったように思います。

休憩をはさんだあと、ホロコースト記念碑かベルリンの壁のイーストサイドギャラリーのいずれか、派遣生の希望にあわせて見学し、この日は終了です。

翌日からは、いよいよワークキャンプ開始です。日本で練習を重ねたプレゼンテーションを披露し、それぞれの思いを伝えます。

 

 

◯7月28日(金)

ベルリン滞在4日目。交流プログラムの中心となるワークキャンプの開始です。

まずドイツ側の高校生と対面し、自己紹介と他己紹介。開始早々盛り上がりました。

この「翼」独日高校生交流プロジェクトの主催者である絆・ベルリンの団長の福澤さんより、これまでの活動の歩みについてお話しいただきました。

その後、プロジェクトの共催者であり、多大な協力を賜っているロバート・ボッシュ財団のユリアン・ヘルマンさんに、財団についてお話しいただきました。

 

ヘルマンさんには遠野まごころネットの理事長の臼澤より、ロバート・ボッシュ財団様のご支援で建設された「大槌みらい工房」で製作した看板を記念に寄贈させていただきました。

そしていよいよ「震災の体験」「現在の復興状況」「将来について」をテーマにしたグループプレゼンテーション。

 

派遣生たちは緊張しているようでしたが、これまでの練習の成果を出し切り、とても良い発表になりました。終了後は、安堵の笑顔を浮かべていました。

つぎは個人のプレゼンテーション。ドイツと日本の高校生で同じテーマについて発表し、ディスカッションします。

この日のテーマは「教育制度と問題」と「それぞれの国の20年後の姿」。2組のグループが発表しました

 

初日のワークキャンプはこれで終了。

これから2泊3日でワークキャンプが続きます。

 

◯7月29日(土)

ベルリン滞在5日目。

ワークキャンプ2日目のこの日、まず理事長の臼澤が遠野まごころネットのこれまでの歩みについてお話させていただきました。

 

その後は個人プレゼンテーションの続きです。


午前中のテーマは「高齢化と少子化の問題」「歴史意識と過去の克服」でした。

 

昼食後は、毎年恒例の絆・ベルリンのフラウケさんによる音楽の時間。


かんたんな体操をしてから、ドイツの歌を楽しく合唱しました。

その後は、再び個人プレゼンテーション。「原子力エネルギーと再生可能エネルギー」「国際交流」について発表し、ディスカッションしました。

 

 

最後は、全員でこの2日間のワークキャンプの振り返りをして、

あっという間にワークキャンプのプログラムは終了です。

 

2日間で日本とドイツの高校生の交流も深まり、ディスカッションなどを通じてこれまでよりも自身の考えを述べられるようになった感じがしました。

 

 

◯7月30日(日)

ワークキャンプ最終日、ドイツ側の高校生とお別れの朝。

絆・ベルリンの団長の福澤さんより、締めくくりのご挨拶をいただき、

ワークキャンプは無事に終了しました。

 

 

派遣生のみなさん、名残惜しそうでした。

 

このあとは、一日たっぷりとホームステイ先と過ごしました。

 

 

◯7月31日(月)

滞在7日目。この日は、ベルリンのクロイツベルク地区の見学から始まりました。

 

町の歴史的背景や建物の特徴など、この地区に実際に住んでいる絆・ベルリンのフランクさんより説明をいただきながら見学しました。

 

その後は、障がいのある方々のための作業施設「USE」を今年も見学させていただきました。

派遣生たちはメモを取りながら、作業工程や施設の説明を興味深く聞いていました。

午後は、在ドイツ日本大使館で最後のグループプレゼンテーションです。

藤山公使よりお言葉を賜り、

 

絆・ベルリンのフランクさんがお話しされた後、

 

プレゼンテーションの披露。

 

 

ワークキャンプの時より、派遣生は緊張感を漂わせていましたが、今までで一番堂々とはっきりした発表ができました。大役を果たして、緊張感から解放されたのか、派遣生全員ホッと胸をなでおろしていました

 

 

◯8月1日(火)

いよいよプログラム最終日。

この日はまずベルリン中央駅に集合し、駅や近辺の国会議事堂などの建物について絆・ベルリンのみなさまよりご説明いただきました。

 

 

その後、消防署へ移動し、担当の方よりお話をうかがったあと、

 

消防車を見せていただきました。

 

搭載されている備品やその使用方法に、派遣生興味津々。

 

最後はハシゴ車にも乗車させていただき、大興奮でした。

午後からはTHWというドイツの技術支援隊の情報センターを訪問させていただきました。

 

 

実際に現場で使用しているトラックや倉庫なども見学させていただきました。

このTHW、東日本大震災の時に日本へ支援に来てくださったそうです、派遣生たちは組織の仕組みや活動の説明に聞き入っていました。

学びの多い一日を過ごし、プログラムは全課程終了。

 

夕方からは、さよならパーティーです。

 
会場は絆・ベルリンの団長の福澤さんのご自宅。
絆・ベルリンのみなさんの他、ホストファミリーのみなさん、ワークキャンプに参加して下さったみなさんが一堂に会しました。
おいしい食事をいただきながら、話に花が咲き、楽しげな笑い声がいたるところで聞こえました。
派遣生たちは「楽しかった! 帰りたくない!」と口をそろえていました。
最後に全員で集合写真を撮り、
あっという間にパーティーは終了。
さびしいですが、翌日、日本へ帰国です。
 

 

◯8月2日(水)〜3日(木)

いよいよ帰国の日。

毎年、ベルリンでの滞在期間はあっという間です。派遣生のみなさん、空港まで見送りにきてくださったホームステイのご家族や絆・ベルリンのみなさんと、別れを惜しんでいました。

 

「またベルリンへ戻ってくる!」と心に誓い、いざ日本へ。

ヘルシンキ空港で乗り換えをし、3日の朝、全員無事に日本へ到着しました。

帰りの東北新幹線では、時差と疲れと安堵感からか、派遣生たちはみなぐっすりと眠り込んでいました。

10日間、大変おつかれさまでした!

改めまして、派遣生たちを送り出してくださった日本のご家族のみなさま、現地での細かな調整や案内をしてくださった絆・ベルリンのみなさま、そして生徒さんを受け入れてくださったホームステイ家族のみなさま、ロバート・ボッシュ財団のみなさま、ほかお力添えくださいましたみなさまに、心よりお礼申し上げます。みなさまのご支援・ご協力なくして、このプロジェクトは開催できませんでした。

そして派遣生のみなさん、ぜひドイツで見聞きしたことをそれぞれの人生に、東北の復興に、そして日本の将来に生かしていただければと思います。

ありがとうございました。

 

※「翼」独日高校生交流プロジェクト(主催:NPO法人絆・ベルリン。共催:ロバート・ボッシュ財団、NPO法人遠野まごころネット)は、岩手県の高校生をドイツに派遣し、異文化に触れて見聞と視野を広めてもらい、将来の東北復興の力になってもらうことを目的とした事業です。2013年から5か年にわたって開催されており、今年2017年の派遣が最後となります。

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。