2019年8月11日、東日本大震災の発生から8年5か月の月命日。犠牲になった人々を偲び、震災の悲劇を永遠に忘れないために、鎮魂の郷土芸能競演「三陸海の盆」が開催されました。第9回となる今年は岩手県田野畑村を訪問。これまで開催された三陸海の盆のなかで最北の地になります。田野畑村アズビィホールで、地元・田野畑村を中心とする各地の芸能が披露されました。
〇オープニング 川原兄弟による太鼓披露 〈田野畑村〉
この日のために兄弟二人で練習したそう。緊張していた様子でしたが、頑張って練習の成果を発揮してくれました。
太鼓は、河内家菊水丸師匠から寄贈された、令和をイメージして作られた太鼓正の太鼓です。
〇開会セレモニー
〇甲地鹿踊(かっちししおどり) 〈田野畑村〉
田野畑村無形民俗文化財に指定されている伝統芸能。とても力強く、躍動感あふれる踊りで、地域の小学生にも伝承されているそうです。
〇馬頭琴 美炎(ばとうきん みほ) 〈千葉〉
馬頭琴奏者の第一人者・美炎さん。「スーホの白い馬」をはじめ、とても美しく壮大なメロディーを奏でてくれました。またパーカッションの前田仁さんが、珍しい数々の楽器を楽しく紹介してくださり、大いに盛り上がりました。
〇黒森神楽 〈宮古市〉
今年も恵比寿舞を披露してくれた黒森神楽。大漁祈願の鯛釣りは地元の小学生が参加し、後部座席のお客様は身を乗り出して観ていました。見事釣られた鯛の動きのリアルさには脱帽です。
〇ユニパフォーマー こっこ 〈大阪〉
毎年ボランティアで参加してくださるこっこさん。今年も地元の皆さまと交流できる芸を披露し、会場を沸かせてくれました。
〇桜舞太鼓(おうぶだいこ)保存会 〈釜石市〉
三陸海の盆での出演後にも別のイベントを控えているにも関わらず、力いっぱい演奏してくださり、その雄々しさと力強さに割れんばかりの拍手が送られました。アンコール曲も素晴らしかったです。
〇臼澤鹿子踊(うすざわししおどり)保存会 〈大槌町〉
遠野市や遠野まごころネットとも縁が深い大槌町の伝統芸能。第一回三陸海の盆は、この臼澤鹿踊伝承館のそばにあった避難所の広場で開催されました。
〇埼浜大漁唄込保存会 〈気仙沼市〉
300年を超える歴史があるという埼浜大漁唄込は、海を愛し、海に感謝し、海に捧げる讃歌であり、豊饒の海から港入りする漁師の凱旋歌だそうです。その力強さと、どこまでも響く唄声に圧倒されます。
〇菅窪鹿踊(すげのくぼししおどり) 〈田野畑村〉
本物の鹿に見立てたという鹿頭をかぶり、会場後部から登場。静の動きから徐々に野生の鹿の勇壮な動きへと変化する舞は素晴らしいです。岩手県無形民俗文化財に指定されている伝統芸能です。
〇大宮神楽 〈田野畑村〉
伝統芸能競演の最後を飾るのは、田野畑村の児童たちによる大宮神楽です。とてもアップテンポな曲に合わせて激しい踊りを舞うその姿に、たくさんのカメラが向けられました。最後まで一生懸命踊る姿に田野畑村の明るい未来を感じます。
〇追悼行事
すべての演目を終え、最後に献花と黙祷を捧げました。
〇閉会挨拶
今年も無事に開催できました。ご出演くださった皆さま、ご協力くださった関係者の皆さま、田野畑村の皆さま、ボランティアの皆さま、本当にありがとうございました。