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第3回構成員会議を開催

2011年10月25日  19時50分

「冬期間のボランティア活動に向けて」をメインテーマに、遠野まごころネット第3回構成員会議をあえりあ遠野交流ホールにて開催いたしました。今回は、各沿岸地域の災害ボランティアセンターの現場で活動している方々によるパネルディスカッションを行いました。

パネラーのみなさん
大槌町社協復興支援センター ボラセンリーダー:佐々木順一さん
大船渡市社協災害ボランティアセンター コーディネーター:伊藤勉さん
陸前高田市社協災害ボランティアセンター センター長:星拓史さん
住田町社協災害ボランティアセンター 主任:吉田秀昭さん
遠野まごころネット 陸前高田担当:齋藤正宏
パネルディスカッションコーディネート
遠野まごころネット副代表 菊池新一

左から、まごころネット/齋藤、住田町/吉田さん、陸前高田市/星さん、大船渡市/伊藤さん、大槌町/佐々木さん

以下はパネルディスカッションで各地域の現在の活動状況と、冬場や今後に向けてのまとめです。

大槌町

ハード活動:大きな瓦礫撤去はほぼ進んでいる。山際の泥が埃の原因となっており、小学生はマスクをしている。こうした泥だしなどもあり、冬場は休止せずに細く活動してゆこうと思っているが、段々と人数を縮小させ、10人15人ほどでいいのではないかと考えている。
ソフト活動:現在、お茶っこ3班や、各支援団体が活動を行っているが、様々な活動が混在し、住民が困っていることも少なからずある。ニーズを受け取った後、その後に何もない、ということもあり、社協でも対応策を考えてゆきたい。
冬期間のボランティア宿泊場所:ボランティアが泊まれる場所(集会所や仮設住宅など)はない。
年末年始における活動:また、今後、甘えてばかりはいられない。(遠野まごころネット)多田さんがテレビで「遠野まごころネットがなくなるのが最終目標だ」とおっしゃっていたが、自分たちも、自立に向けて舵を切ってゆく必要がある。

大船渡市

ハード活動:重機を使った瓦礫撤去が80%完了。陸前高田などとは違い、農地が少ないので、ボランティアが介入するところは少ない。ただ、大きな瓦礫が撤去されたあと、仮設店舗が作られる場所など、細かい瓦礫撤去をするボランティアニーズはまだある(そういった活動は一日に30人ほどで行っている)。他、40人ほどのボランティアで、写真洗浄や家屋整理などの個別ニーズに応えている。大船渡としては、11月中に瓦礫撤去作業を終了させたい。
ソフト活動:仮設37か所に1~3名の常駐支援員が緊急雇用で配備されている。また、社会福祉協議会で「ひだまり相談員」という名前で、11名の支援員もつけている(増員予定)。自治会の編成は、37団地中30か所、そのうちの10か所ほどはもともとの地域の自治会で運営できている状態である。
加えて…:また、障害者だけが入居しているところがいくつかあり、そういう場所の見回りを強化してゆく必要がある。
冬期間のボランティア宿泊場所:福祉の里センターは、事前予約が必須だが、大広間ならば無料宿泊できる。個室は通常通り、素泊まり2000円(朝食付きで3000円)。ただ、いつまでこの対応が続くかはわからない。仮設住宅を利用することも難しい。

陸前高田市

ハード活動:12月末までは基本的に継続してゆく。陸前高田は農地の整備などもあり、現在でも、休日には4~500人ほどのボランティアが来ている(月曜は150人ぐらいにまで落ち込みますが、徐々に増える)。
ソフト活動:生活支援員は26名の体制で、うち、18名が8地区の仮設住宅および在宅の巡回訪問(各地区2~4名)、さらにサロンと呼ばれるお茶っこの会を行っている。
冬期間を考えると、安定的な活動をしてゆく必要がある。
冬期間のボランティア宿泊場所:遠野を活動拠点にしていた団体が冬場を見越して陸前高田に移りたいという案件があった。公民館を貸出しできないかと地域と調整していたりするが、時間がかかるだろう。
年末年始の活動:現時点では未定だが、従来のお茶っこサロンで対応。住民から少し静かに過ごしたいという声もあり、そういう配慮に気を付けたい。

住田町

※海には面していないが、陸前高田と大船渡に隣接する後方支援。「住田基地」という宿泊施設がある。
住田基地(災害VC)は、遠野とは違い、マッチングはせず、基本的にボランティアは自己完結で行っている。300名の上限で、夏場は一日に定員いっぱいのボランティアの方々がいらっしゃっているが、現在は、平日では20~30名ほど、休日でも70名ほどにボランティア数が減少してきている。
冬期間のボランティア宿泊:テント泊などもできず、暖房環境のこともあり部屋の数も減らし、上限人数を50名に減らし対応してゆきます。また、冬場は雪道でボランティアの安全確保が課題となるだろう。あと1ヶ月ほどで凍結するだろうから、ブログなどで注意を呼び掛けてゆきたい。
年末年始の活動:まだ具体的には決まっていないが、個人的には、(北海道から送られてきた羊毛の余りなどもあり)住田の仮設住宅団地での編み物の会なども考えている。また、浜のミサンガの講習会も始める予定だ。

会場からの質疑応答

Q.障害を持っている方の仮設住宅の見回りについて

大船渡:専用の仮設住宅棟があるが、物資配布会に来られないこともあり、個別対応をしている。ただ、その住宅棟での住民間のコミュニティ形成が重要で、サポート策を考えてゆく必要がある。
他地域:専用棟などはない。また、みなし仮設などに入居している場合もあって、どこにどんな人がいるか把握が必要。ただし、個人情報保護法もあり特定が非常に難しい状況になっている。

Q.ボランティアが現地雇用の妨げになるという話を聞くが、現場ではどうか?

大槌:瓦礫撤去について行政が業者に頼む形で運営している。ただ、実際問題、マンパワーが不足し、なかなか業者が来れなくて、側溝の泥だしなど、ボランティア活動で補填しているのが現状。実際に対応できていないところを対応しているので、おそらく行政としても助かっていると思う。
大船渡:大船渡もおおむね支障はない。ただ、移動支援などはタクシー会社の営業に支障が出ないようにしなければいけなく、線引きをしている。
陸前高田:陸前高田もおおむね支障はない。こちらも、営業再開しているヘアカットなどの活動阻害がないように、支援に入りたいという要望をお断りするなどして対応している。
(※補足:たとえば実現できる支援活動として、理髪店の営業再開のために同業者がサポートするという事例があります)
住田/遠野:後方支援基地なのでボランティアが活動していることで、地域経済が潤うというプラスの効果のほうが高い。
まごころネット齋藤:本来は土地の人を雇用するべきことを「ボランティアに任せよう」ということもあった。そういう場合、逆にお断りしたこともある。

Q.行政や遠野まごころネットとの連携に課題は?

大槌:行政とは、震災当初は連携がうまく取れていなかったが、次第に連携が取れるようになってきている。まごころネットには震災後、多くの支援を受けてきたが、これからは、自立に向けて動いてゆかなければいけないと考えている。
大船渡:行政との関係は良好だが、行政内での橋渡しなどで話が通っていないこともある。行政内の横のつながりを強化していただければと思っている。遠野まごころネットに対しては、これまで、協力を要請することが少なかったが、冬期間でボランティア人員が不足する場合、連携をしてゆければと思っている。
陸前高田:行政との連携はあまり強くなかったが、9月に入り、副市長が何度か来ている。また、明日・明後日(10月25,26日)には、申し入れがあり、市長・副市長との懇談会が行われる。次第に連携が取れてきている。遠野まごころネットに対しては、今後とも、手の届かないところへ支援を行っていただければと思っている。また、今までため込んできたノウハウなどの共有を積極的に行ってほしい。
住田:後方支援として、行政が積極的なので活動しやすい。

遠野まごころネットからのお知らせ

本決定次第、正式にお知らせを行うが、以下の予定で考えている。

  • まごころネットの定休日:11月から毎週月曜日を予定(沿岸地域のボランティアセンター定休日に合わせています)
  • まごころネットの拠点移動:現在の福祉センターから「浄化センター」に11月中旬移行予定。

以上。

One Response to “第3回構成員会議を開催”

  1. M.S |

    浄化センターは実家の近くなのですが、現在のセンターに比べると利便性があまりよくないのが欠点となります。 まあ住めば都ですので、気持ちを新たに新天地で頑張りましょう! 
    駅からは近くなりますので。 
    すぐ前が川なので、河童に連れていかれないように注意!
      来内川のほとりにある一番ぼろい家が実家です。 
     みんなでおでってくなんせ!

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。