分かち合い隊が炊事のお手伝いをしている陸前高田市の長部コミュニティーセンター(コミセン)で、避難所班長の仕事をサポートする活動が始まりました。
避難所では子どもからお年寄りまで大勢の人が共同生活しています。このため避難している人たち1人1人の健康や支援物資の配布状況に目を配り、行政や支援団体とのパイプ役になるリーダー(=班長)の存在が不可欠です。しかし、班長自身も被災者であるため、班長の業務をこなしながら、自らの生活再建を目指すのは容易なことではありません。「せめて1日数時間でも代わりがいれば、自分たち班長も仕事や職探しに専念できるのに…」ある班長からそう打ち明けられたのをきっかけに、分かち合い隊が日中の間だけ「班長代理」を務めることになりました。長部コミセンの班長が日中にする大事な仕事の1つに支援物資の搬入があります。5月10日から班長代理を任せられた田辺野奈さん(22)は物資を保管している長部小学校体育館で、翌日の搬入に備えて陸前高田市の職員から説明を聞きました。また避難所の各部屋を回って市役所からの連絡事項を伝え、お年寄りの質問に答えるなど、堂々と班長業務をこなしていました。
分かち合い隊としての今後の課題は、次に来るボランティアを確保し、班長代理の仕事を順々に引き継いでいくことです。なるべく長期間活動できる人を見つけ、継続的に班長業務をサポートすることが重要になります。しかし個人のボランティアの性格上、活動できる期間が限られている人も多く、担当者の悩みの種ともなっています。
陸前高田市では8月のお盆ごろまでを目途に、避難所の全世帯が仮設住宅に移転する計画を進めています。このため避難所は段階的に縮小・集約されると見込まれ、新しい班長が選ばれたり、新たな班長業務が出てきたりするかもしれません。分かち合い隊もそうした変化に対応しながら、避難所班長さんたちの仕事をできる限りサポートしていきたいと考えています。