「農大開発復耕支援隊」の一員として、11/3-11/6の間、遠野まごころネットを拠点として岩手県大槌町で活動しました。 農大開発復耕支援隊は東日本大震災の復興支援の為に東京農業大学開発学科の卒業生有志で結成し、9/16-9/19にOB・OG：18名、現役学生：17名で初めて被災地で活動しました。今回が2回目の活動で私は初めて参加しました。

　

11/4、11/6は、「色を失ってしまった津波の被害に遭った土地にお花を植えたい」という前回参加者の意思のもとに、大槌町赤浜地区で津波の被害に遭ったお宅の敷地に花壇を作りお花を植える活動をしました。持参したバンジー・ビオラの苗（1400株）、チューリップ、スイセン、クロッカス、ユリの球根（合わせて5000球）は、農大の卒業生の先輩方や「花の力」で復興支援活動をされている「花の力プロジェクト」を通じてオランダ国際球根協会さん、大郷屋種苗さん、高橋植物園さんにご支援をして頂きました。

活動初日である11/4は、一般ボランティア10名の方たちと活動しました。地元の方たちが集まって下さるか不安でしたが、待ち合わせ場所の赤浜小学校には、たくさんの方が待っていて下さいました。花の苗と球根を配布すると、色とりどりに咲くお花の苗を前に、みなさんが自然と笑顔になったのが印象的でした。そして、班になり希望する方と一緒にご自宅に行き花壇作りを行いました。土を耕そうとすると、たくさんのガラスなどのガレキが混じっているため、思うようにスコップや鍬が入りませんでした。ふるいで石やガラスを除き、培土を撒き、最終的には黒い土が出てくるまで頑張りました。そうして出来た花壇は、大小合わせて17ヶ所になりました。そのうち5ヶ所は地元の方たちで植えて頂きました。その他にもたくさんの方が持って行かれた球根たちがどこで花を咲かせるのか楽しみです。被災者の方と土づくりから始めて花や球根を植えながら、「春が楽しみね」「きれいだね」と一緒になっていろんな事を共感できたことがとても嬉しかったです。作業はすこし大変だったかもしれませんが、これまでに多くのボランティアの皆さんがガレキの片づけや除草などをして出来たお庭は本当に奇麗でした。最終日の11/6の午前中にも、赤浜地区を訪れ作りかけだった花壇を仕上げました。少し雨は降りましたが最後は全員で一番大きな花壇も完成することが出来ました。バスで帰る際、赤浜の皆さんと手を振って別れていたのが、いつの間にか（農大名物）大根踊りとなり、見送ってくださった方もみんな一緒になって踊っていました。

　

11/5は大槌町小槌地区の第二まごころの郷で活動しました。仮設住宅の皆さんの交流や憩いの場として耕作放棄地であった土地を開墾して作られました。ボランティアの方達で作ったウッドデッキの落成式で、豚汁がいらした地元の皆さんに振る舞われました。私たちは皆さんと一緒に花壇に球根を植えさせて頂きました。子供たちにも集まってもらえ、みんなで一緒に花壇を作ることが出来て良かったです。どの花壇も個性的で、何色の花か分からない球根もあり、一体どんなふうに咲くのか今から春が楽しみです。

　

今回のボランティアでは被災地の方と直接触れ合う事が多く、私にとって特別な経験になりました。今回の作業が花を植えることではなくガレキの撤去などであったら全く違うものになっていたかも知れません。お花があったから皆さんの笑顔が見られ、一緒に春が待ち遠しい気持ちを共有出来たのだと思います。お花と共に、少しは私も被災地の方に寄り添う事が出来たのかなと感じました。初めて訪れた被災地は東日本大震災から約8か月が経っていました。ガレキの片づけがまだ必要なところがあったり、ガレキは片づけられていても何もなくてどこか寂しく、復興にはまだまだ時間と人の力が必要だと感じました。これからも被災地の方と関わり寄り添えるよう活動を続けていきたいと思います。

（記事：東京農業大学　一年　鈴木）