遠野まごころネット

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まごころ体験記-私にもできた!伝えたいこと

2011年5月30日  10時27分

<まごころ体験記⑧>

私にもできた! 伝えたいこと

東京都小平市  角田 幸

5月中旬に、遠野まごころネットに参加しました。 元々は、このことについて誰かに話すつもりはありませんでした。わざわざ触れ回るようなことではないと思っていたからです。でも、短期間ですが現地で活動して強く思ったのは…「伝えたい!」「つなげたい、ということでした。現地では、まだまだ色々な種類の支援が長期的に必要だということ。そして…私のようにボランティア経験がなくても、アウトドアが苦手でも、女性でも、1人でも、「遠野まごころネットでは大丈夫なことが多い」と感じたことです。

 

だから、書きます。 もし、「行きたい想いはあるし、時間とお金を費やすのはよいけれど、自分にできるかな?」。そんな風に、ただちょっと不安で実行に移せない人がいるとしたら、どんな雰囲気なのか知ることで、不安を軽減できたらよいなと思います。 私は、災害ボランティアに、しかも1人で参加するなんて考えたこともありませんでした。震災以降、自分ができることを考えて、募金したり、被災地にクッキーを贈ったり。 それでもやはり被災地への想いが募り、遠野まごころネットへの参加を決めました。ボランティア保険加入や、踏抜インソールや防塵マスクetc.…。ものものしい必需品のお買い物など、未知なことが多く、1つ1つにドキドキしながら準備を進めましたが、 そんな私でも大丈夫。できました!(保険は地域の社会福祉協議会であっさり加入。必需品は東急ハンズやamazonで入手) ボランティアは自己完結。これは基本。(滞在中の生活や活動時の装備や危機管理etc.) でも、遠野はライフラインに問題がなく、スーパーやコンビニ、飲食店が普通に営業していて、お水も食料も現地調達ができます。宿泊場所は、女性は畳の大部屋、男性は体育館。今の季節は寝袋1つで大丈夫です。お水も電気もあるし、レンジも給湯器も仮設シャワーも洗濯機もあります。つまり…かなり「普通」に近い生活ができるのです。ほとんどの人が、日本だけでなく海外からも、1人で来ていました。年代は20代~60、70代の方まで様々。親子連れもいました。挨拶すると周りの方がルールや活動について色々教えてくれました。すっごく気負って行ったけど…肩の力が抜けました。 活動内容は日々ニーズに応じて変化しますが、私の滞在期間には次の、ようなものがありました。

・陸前高田の水田清掃

・大槌町の家屋清掃

・ブドウ畑清掃

・写真洗浄 ・物資の仕分け

・避難所での炊事手伝い

・まごころ広場

・事務局内雑用 etc.

全国から集結したボランティア

全国から集結したボランティア

ヘドロのかき出しのような重労働以外にも、色々なお仕事があります。定員等の理由で必ずしも希望がかなうわけではないけれど、力仕事は難しい人でもできることがあります。私は今回、物資の仕分け、水田清掃、炊事手伝いに参加しました。 それらの活動を通してはっきりと感じたのは『まだまだ色々な面でみんなの力が継続的に必要だ』ということです。現地でのボランティア活動は、自己責任という面ではどの団体に参加しても同じ。でも、遠野まごころネットは滞在中の生活についてはかなり恵 まれています。そこで出会った方々は年代も職種も様々。でも、同じ想いで来ているので、すぐに打ち解け、学ぶことがたくさんありました。 「行ってよかった。ほんとに、これならまた行こう」と思えました。6月にも再訪して、今度は、趣味と特技を生かし、まごころ広場にお菓子を届けたいと思っています。

「まごころ」をイメージしてつくったハートのクッキー

「まごころ」をイメージしてつくったハートのクッキー

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人気の三色ダンゴ

◆角田幸(かくた・さち) 東京都生まれ、小平市在住。上智大学卒 IT企業勤務。「ル・コルドンブルーにて製菓を学び、時々お菓子教室を開催している。遠野まごころネットへの参加が初めての災害ボランティア。11月生まれの30代。

被災地で配りたいクッキー

12 Responses to “まごころ体験記-私にもできた!伝えたいこと”

  1. 中原京子 |

    MMMさん

    夕べ娘から詳しい内容のメールを受け取りました。
    MMMさんのお言葉どおり『心配無用』でした。
    お心遣いあふれるコメントを沢山ありがとうございました。
    MMMさんのおっしゃるとおり、大勢の志をもった仲間の方々と共同で被災地復興のための活動を通して、平和の大切さと人を思いやる心の大切さ、命の大切さなどとても多くの事を吸収しているようです。 被災地の方々とも日を重ねる毎に顔見知りの方々が増えうちとけて良い関係を築けているとの事です。

    『地元住民の一人として必ず安全に活動する事が出来るように見守っております』
    何より有り難いお言葉です。
    このように被災地復興のために携わっている皆様お一人お一人のきめ細かなご配慮等のお陰と感謝の気持ちで一杯です。
    それ故、『まごころネット』でのボランティアさんが、初めはお1人で、次には仲間と共に、
    そして、その仲間が又仲間と一緒にと言うようなねずみ算のように、そしてリピーターさんが多く、ボランティアの輪がどんどん大きく広がっていっている所以ですね。
    そうした皆様方のかけがえのない思いが大きく広がって、地元の皆様には1日も早く震災前の暮らしに戻っていただけたらと願っています。
    一時のみでパッと燃え尽きてしまうのではなく、この輪がこれから先もずっとずっと長く継続していって欲しいと思います。

    『出来ればうちにも来てもらい1日位は休みを取って地元の観光案内をしてあげたいと思っていますが。』
    お心遣いありがとうございます。

    最後に
    娘は遠野の地に恋しているようです。(笑)
    自分の心の中で思い描いていたふるさとの風景そのもののようです。
    美しい山に囲まれた風情のある田園景色が、気持ちを落ち着かせ心に潤いを与えてくれるようです。
    時間の許す限り遠野に居たいとのことでした。

  2. 中原京子 |

    MMMさん

    コメントが遅くなってしまってすみません。
    ギリシャ人のおばあさんにMMMさんからのメッセージをお伝えしました。
    『ハイハイ、是非Beautiful Japanに行ってみたいので頑張って長生きしますよ』と
    そして『日本の方に私の事が紹介されたなんて・・・・』と少し涙ぐんでらっしゃいました。
    人と人との繋がりって素晴らしいですね。
    心が熱く感動で胸が一杯です。ありがとうございます。

  3. 中原京子 |

    皆様

    貴重なコメントをありがとうございます。
    皆様の一言一言が心に響きます。
    皆様からのアドバイス一言漏らさず娘に伝えまさせて頂きます。

    この場をお借りしてお伝えしたい事が・・・・
    震災の翌日、近所のギリシャ人のおばあちゃん(85歳)から
    封筒に入った$300(2万4千円程)を手渡されました。
    日本にいる身内の人とか、お友達とかあなたの知っている人で被害にあった方などに直接あげて欲しいと言われました。
    私は、身内も友達も誰も被害にはあっていないからとお断りしました。
    そう言うと、『災害などがあった後は、インフレになったりもするからお金は必要だから』ともおっしゃってくださいました。
    赤十字などの団体に寄付してくださいと言ったら
    『私はああいう団体は嫌なの。何十年も前ギリシャで被災があった時、
    赤十字に寄付された金額の小額しか被災された人達に寄付されなかったから』
    とおっしゃいました。だから、身近な人など被害にあった人がいたら、その方に直接渡して欲しいとの事でした。
    そのおばあちゃんは決してお金持ちの方ではありません。とても質素に暮らしていらっしゃる方で、カナダで$300はとても大金です。(何故か日本円の2万4千円とは重みが違います)
    それ以降ずっとそれを大事に預かっていたのですが、良い機会が訪れました。今回娘に持って行ってもらいました。
    小額ですが、そのおばあちゃんのまごころの詰まった大金だと思っています。
    震災の翌日に手渡してくれたと言う素早い行動力と、おばあちゃんの優しい気持ちに心打たれ、ほんとうに嬉しかったです。
    そして、おばあちゃんのご意向である被災された方々に直接お届けする事が今回実現できるので大役を果たせる気分です。

    • MMM |

      ギリシャ人のおばあさんの気持ちが何よりうれしいです。
      彼女のような生き方が出来るときっと世界中が今よりももっと多くの国や人が幸せになれるのに。
       中原さんがとてもうれしくなる情報を発信してくれた事で被災地の方や支援活動に参加されている方がたにどれだけの勇気と希望を与えてくれる事か。  
       いつになるかまだ先は見えませんが必ず新し美しい三陸をめざしますので、その時までは元気で長生きして是非東北の地に足を運んで下さいとおばあさんに伝えて下さい。 おばさんの寄付してくれた金額の何百、何万倍もの気持ちが伝わってきました。
       世の中の腐れきっている政治家、官僚達に聞かせてあげたいくらいです!

  4. 角田 幸 |

    santaさん、最初はお1人で次は3人。私も、そんな風につなげていきたいなと思います。
    MMMさん、私も、同じ想いで被災地に集まった方々と共に活動に参加したことで、とてもたくさんの大切なことを学べたように感じています。
    功刀さん、私も、甘いものの癒し効果、信じてます。
    これからも自分のできること、続けていきたいと思ってます。

  5. いつも拝読してます。
    海外からもボランティアが私費で集結していると聞き及んでいます。
    京都くらいで、「遠い」なんて言ってはダメですね。また行きます。
    バンクーバーからボランティアにとのこと、公用語は英語ですから、海外在住の日本人の方は被災地で、海外ボランティアの方との意思の疎通を図る上で、貴重な架け橋になると思います。
    バンクーバー、海外留学中に(もう四半世紀前)シアトルまで行きました。国境は越えていませんが。バンクーバーもすぐそこでした。
    スペースニードルに登った記憶しか残ってませんが。

    あと、甘い物はトランキライザーになるので、震災ストレスの昇華に効果的だと思います。パティシエールまで、被災地入り、本当に全国からいろんな職業の方が集結です。私も負けてはいられません。

  6. MMM |

    心配無用です。
    娘さんはきっと今回の災害の爪痕を現地で目の当りにしてひどく心を痛める事かと思いますがそれと同時に大勢の志をもった仲間の方々と共同で被災地復興のための活動をされる中で平和の大切さと人を思いやる心の大切さ、命の大切さなどとても多くの事を吸収されると思います。  地元の住民の方たちも親切に接してくれるはずですので、ひとまわりもふたまわりも大きく成長して帰る日を楽しみに待っていてください。
    娘さんのほかにも海外から一人で同じように来られている勇敢な女性もおりますので、是非沿岸被災地の復興に力を貸して下さい。 素晴らしい仲間の輪がどんどん広がっています。  そして沿岸の人たちと出来る限りふれあう機会をもって欲しいと思います。
    頼もしい仲間がまた一人増えました!

  7. 中原京子 |

    角田 幸様

    早速のコメントありがとうございます。
    体験をされた方からのアドバイスは大変心強く感じます。
    幸さんも又遠野にいらっしゃるのですね。
    その時にはよろしくお願いいたします。

    実は娘に投稿をした事を話しましたら、
    《恥ずかしい事はしてくれるな!》と叱られました。(笑)
    本心、幸さんのブログを拝見して雨雲が一気に風に押され、青空が一面広がった思いでした。ありがとうございます。

  8. 角田 幸 |

    中原京子様

    コメントありがとうございます!
    お嬢様はカナダからボランティアのために帰国されるのですね。
    状況が見えづらい中、よく決意されたなあと思います。
    遠野滞在中、生活面ではそれほど不自由はないと思いますが、
    分からないこと等は受付や周囲の方に聞けば大丈夫だと思います。
    長期でいらっしゃるとのことなので、あまりムリをしすぎず、
    心身共に疲れすぎないようにしながら活動に参加されると良いかと思います。
    長く滞在している方々は、ご自身で休日を決めて、
    遠野観光などしてリフレッシュしていらっしゃいましたよ。
    お嬢様の滞在中、私も再訪すると思います。
    その際はどうぞよろしくお願いいたします。

  9. santa |

    角田さんの「行ってよかった。ほんとに、これならまた行こう」という気持ち
    、なぜか本当にそう思うんだよね。
    来る前は不安で不安でしょうがなかったのに。
    僕も、6月5日だけの日帰りですが、1ヶ月ぶりに最参加する予定です。
    前回は一人での参加でしたが、今回は三人で参加します。

  10. 中原京子 |

    角田幸様

    はじめまして中原京子と申します。
    今、幸さんのブログを拝読させて頂いて、不安が吹っ飛びました。(笑)
    実は今娘をバンクーバーの空港まで送って家に戻ったところです。
    私はカナダバンクーバーに在住しています。
    娘(25歳)が今朝、まごころネットでのボランティア目的で日本に旅立ちました。
    震災後から、5月から8月までの4ヶ月の期間、日本でのボランティア活動の計画を立て、
    あちらこちらでボランティアをできる団体を探していたのですが、なかなか上手く見つからず、
    ようやく《まごころネット》に行き着きました。
    ボランティア活動を目的に日本に行く事を、友達などに言うと、
    皆口を揃えて《えぇ?日本に行くの?ボランティア活動?》と言う言葉を返してきます。
    その響きは《なんで日本なの?とんでもない!バカじゃないの?》と言う響きです。
    インターネットで情報はとれますが、情報が氾濫し過ぎていて逆に情報に踊らされていたり、
    どれが正しい情報でどれがそうでないのかの判断ができません。
    正直、放射能と何時又起こるかわからない地震は不安です。
    今、幸さんのブログを見て、不安が安心に変りました。
    《まごころネット》でのボランティア活動は団体名のとおり《まごころ》のある
    温かみのある組織のような印象を受けました。
    ありがとうございます。
    少しでも被災された方々のお役に立てたらと願っています。
    6月6日から活動をさせて頂く予定で申し込みをしました。

    中原京子

    • MMM |

      娘さんさっそく活躍しているようですよ。
      壁新聞の記事を読みました。
      支援の方法には色々な方法があるかと思いますが、地元住民の一人として必ず安全に活動する事が出来るように見守っておりますので、安心して帰りを待っていてください。
       とても頼もしい仲間もたくさんいますし!
       若いから休まなくても疲れ知らずかもしれませんが、慣れない土地ではやはり適度に休む事も大切ですので、そのように伝えておきます。(出来ればうちにも来てもらい1日位は休みを取って地元の観光案内をしてあげたいと思っていますが。)

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。