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5・8 陸前高田に「希望乃湯」がオープン!

2011年5月08日  20時12分

陸前高田市の民家の庭に、大型トラックの巨大コンテナを再利用した浴場「希望乃湯」がお目見えし、震災から避難生活を続けたり、復興作業に従事する地域の人々の間で静かな人気を呼んでいる。

4㌧トラックのコンテナ内を改装した大きな湯ぶねでリラックス

4㌧トラックのコンテナ内を改装した大きな湯ぶねでリラックス

同市竹駒町滝の里の小高い丘に建つ中野貴徳さん(41)の自宅は、震災直後から3・11の大津波で家を流された市内の親類や知人、そして地域の住民が集まり、一時は最大7家族36人が共同生活を送っていた。同市の災害対策本部に「民間避難所」として登録したことで、早くから支援物資の配給を受けていたが、4月中旬に大阪府の産業廃棄物収集運搬会社「北野」(間島一廣社長)から突然、電話で直接「コンテナ風呂」の設置のオファーを受けた。「まったく縁もゆかりもない大阪の会社が、いきなり無料で風呂をつくってくださるというんですから驚きました。お風呂のサイズがうちみたいな小さな避難所にぴったりだと思ってくださったんでしょうね」(貴徳さん)。

「希望乃湯」を一般開放する中野貴徳さん(右)と隆行さん(同2人目)の兄弟

「希望乃湯」を一般開放する中野貴徳さん(右)と隆行さん(同2人目)の兄弟

とんとん拍子で話は進み、北野の間島社長自らが現地を訪れて、産廃収集用のコンテナの内側に板を張り、灯油のボイラーを設置。2週間かけて見事なコンテナ風呂を完成させた。陸前高田の再興を祈り、「希望乃湯」と名づけられた。電気が戻った現在でも、水道は復旧していないため、水源は家の裏手を流れる清流からポンプでくみ上げている。5日の完成後は、現在も同家に居住している14人だけでなく、震災から無休で働いている人たちを招待し、大喜びされた。そこで、津波で市街地の自宅を失った貴徳さんの弟の隆行さん(39)が中心となり、被災者はもちろん、復興作業に従事する市役所や消防関係者、そして全国からのボランティアのくつろぎの場として開放することを決めた。「震災後の激務で疲れ切っているみなさんに、ぜひともゆったりとお湯につかってリラックスしていただきたいんです。家族や仲間と周囲と一緒に気を使わずにのんびりしてほしいですね」(隆行さん)と、午後1時から7時まで1時間単位で団体に開放する「完全予約制」を採用した。

水源は自宅裏を流れる清流

水源は自宅裏を流れる清流

詳細と予約は、中野隆行さん(090-3369-7645)まで。午前11時から午後6時まで受け付けている。

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。