陸前高田市上長部地区で、連日30~70人のボランティアを投入して展開中のサンマ、サケなどの水産物収集作戦。水産加工会社の冷凍倉庫を津波が破壊し、800トンもの冷凍魚類が周辺異変にばら撒かれてから約50日が経過。4月19日の作業スタートからも10日がすぎ、いよいよ魚体の腐敗が進み、衛生面からも事態は深刻化しています。
また作業が家屋の瓦礫が広範囲に散らばる集落の中心部に進むにつれ、写真やアルバム、卒業文集など、被災された住民のみなさんの思い出の品の発見や収集も大切な任務となってきました。
26日には、4月中旬から遠野まごころネットに参加していただいているJICA(国際協力事業団)の青年海外協力隊員5名が、この過酷な作業に従事していただきました。5人はいずれも、任地であるアフリカのエジプトとニジェールが現地の政情不安のため、後ろ髪を引かれる思いで3月に一時帰国中。そのあふれるボランティア精神を被災地支援に注いでいただきました。
エジプトから一時退避中の奥村木綿(ゆう)さん(27)は「とても大変でしたけどいい経験になりました」と苦笑い。ニジェールから帰国した林佐紀さん(25)も「臭いもビジュアル的にも厳しい仕事でしたが、最後まで無心で頑張りました」と振り返っていました。