8月11日、第二回三陸海の盆が開催されました。今年は、主会場を前回の大槌町から釜石市鈴子広場に移し、東日本大震災の鎮魂と郷土芸能の復活を願い催されました。午前9時半から午後7時過ぎまでの開催と長時間に渡る催しでしたが、多くの来場者が訪れ、今年も無事に開催することが出来ました。
トップバッターを務めたのは、静岡英和女学院高等学校のハンドベル部の皆さんです。「上を向いて歩こう」や「ふるさと」など、計5曲を演奏し三陸海の盆のスタートを飾っていただきました。
開会式が行われ実行委員長の赤崎光雄さんは「私は郷土芸能が大好きです。郷土芸能が復活することで街の発展にも繋がると思う。今日は犠牲者の方々も空から見ている。海の盆を皆で楽しみましょう。」とこの三陸海の盆の意味やこれからの復興に向け挨拶をしました。釜石市長の野田武則さんは「ふるさとの大切さ、亡くなられた方の供養を皆で共有しながら、これからも復興に向け一緒になろう。」と地域の団結を訴えていました。
その後、太鼓や獅子踊り、神楽など全16団体の演目が行われました。メンバーの方を亡くされていたり、太鼓や楽器など郷土芸能の命と言えるものを津波によって流された団体もあって一度は復活を諦めていたというお話もありました。それでも、復活を諦めなかった団体の方の強い気持ちが演目に込められていました。
14時46分、東日本大震災が発生した時刻に合わせ黙とうが行われました。会場にいる全ての方が静かに目を閉じ黙とうを捧げていました。
全ての団体の演目が終了し、法要が始まりました。多くの方がお焼香に参加し手を合わせていました。
そして、法要のあとは会場近くに流れる甲子(かし)川河川敷で精霊流しを行いました。甲子川までの誘導灯には美濃和紙あかりアートが使われ子ども達の絵が描かれていました。灯篭には多くの方からメッセージを書いていただきました。
また、第二回三陸海の盆に衆議院議員である辻本清美様よりコメントが寄せられました。
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「三陸海の盆」にご参加のみなさま
あの震災から1年半がたちました。
私は昨年、災害ボランティア担当の総理大臣補佐官として、何度も東北に参りました。寝袋を片手に遠野まごころネットを訪れ、本当に被災者の方々と寄り添うためにはどうしたらいいのか、とボランティアのみなさんと試行錯誤をしてきました。
そこで私は、形に見える「経済の復興」「まちの復興」はもちろんのこと、「心と絆の復興」が必要だ、と確信しました。そんななか昨年、この「三陸海の盆」が開かれることを知り、これが「心と絆
の復興」の大きな一歩になる、と思いました。そして、多くの方々が力をあわせて祭りをつくりあげていく過程に、心うたれました。
震災の悲しみは、決して薄れるものではありません。それでも子供たちの未来のために、多くの方が前を向いていけるよう、私たちも力をつくします。被災地と支援地が想いを重ね、ともに、未来をつくりましょう。
2012.8.11
衆議院議員 辻本清美
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今回も多くの方のご支援とご協力をいただき、第二回三陸海の盆も無事に終えることが出来ました。本当にありがとうございました。
(文・取材班 及川将志 写真・取材班一同)