9月29日、大槌町の小鎚川流域(第16地割)にある「まごころ農園(まごころの郷2)」で「安渡産大槌復興米」の稲刈り式がありました。ほんの小さな坪庭のような田んぼに実った稲は、さる5月26日に植えられたものです。元をたどれば、大槌町の安渡地区で被災した、菊池妙さんの自宅玄関付近跡で、瓦礫の間からそっと芽を出していたほんの3株の稲です。
その稲は妙さんの同級生の臼澤康弘さんはじめ多くの人の手によって大切に育てられ、
5月の田植え式を経て、この秋、とうとう稲刈りを迎えたのです。
妙さんは感慨もひとしお。
「多くの方の協力、絆で今日を迎えられたと思います。とても晴れ晴れとして嬉しいです」と語りました。
また、毎日、稲の生育を見守り世話をしてきた臼澤さんは、
「もうとにかく、芽が出るかどうかから不安で不安で。それがこんなになって今日を迎えたんだから、ほんとに嬉しいね~」と話しました。
稲刈り式では、稲を刈るのは初めてという妙さんに、臼澤さんが鎌の持ち方から稲の掴み方まで持ち前の元気な物言いで「指導」し、集まった人たちの笑顔を誘っていました。
妙さん、臼澤さんが稲刈りの先陣を務めたあと、集まったほかの参加者も代るがわる鎌を使い、
およそ15分ほどで全ての稲穂を刈り取りました。
こうして、無事刈り取られた「安渡産大槌復興米」の稲束は、この日のためにまごころ農園スタッフが用意したリアカー(かなこ&よりこ)で運ばれ、農園の一郭でハセ掛けにされました。
今後の予定としては、およそ2週間後に籾取りをし、全ての籾を来年用の種籾として大切に保管するということです。
(取材 映像班 高木敬茂)