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今後の防災のために・国連防災世界会議「風化に立ち向かう人々」開催

2015年3月18日  11時56分

2015年3月14日(金)から18日(水)まで宮城県仙台市でおこなわれている第3回国連防災世界会議。これまでの各国の自然災害後の支援の成功例と課題解決の実践をディスカッションし、その成果を災害に強いコミュニティ創造と防災技術のスキルアップへ、そして日本とASEANの更なる協働へと繋げることを目的として、遠野まごころネットはパブリックフォーラム「風化に立ち向かう人々 アジアと東日本の大規模災害から今伝えたい事」を、3月15日(日)、TKPガーデンシティ仙台勾当台で開催いたしました。

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まずは開会にあたり、遠野まごころネットの理事長で、岩手県大槌町の応急仮設住宅で暮らす被災者でもある臼澤良一からご挨拶させていただきました。

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定員200人の会場にほぼ満員の聴衆を迎えてはじまった第一部は、岩手、福島、宮城、そしてフィリピンで、大規模自然災害の記憶の風化に立ち向かい、実際に汗をかきながら支援を続ける人々に、それぞれの取り組みをご紹介いただきました。

 

釘子明氏(陸前高田被災地語り部くぎこ屋)

〜今後の防災を考えることが犠牲者の鎮魂になる〜

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東日本発生大震災当時、そして直後の岩手県陸前高田を記録したビデオを上映いただきながら、ご自身の経験をお話しいただきました。

 

 

原田雄一氏(福島県浪江町商工会会長、NPO法人新町なみえ設立メンバー)

〜被災の「本質」をとらえられなかったという悔やみがある〜

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福島第一原子力発電所の避難を余儀なくされた福島県浪江町の現状と方向性、壊れてしまったコミュニティ、そこに組み込まれて成り立っていた産業の再建の難しさについてご説明いただきました。

 

 

大嶋一馬氏(NPO法人ロシナンテス)

〜被災地の高齢者の問題は、全国の高齢者の問題〜

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宮城県亘理町で被災地の高齢者の抱える問題の解決のためにはじめた「健康農業 亘理いちご畑」の取り組みについてご紹介いただきました。

 

 

佐々木隆宏氏(元JICAフィリピン事務所所長、現JICA資金協力業務部)

〜ROOFLESS, HOMELESS, but not HOPELESS(「屋根」もなく、「家」もない。でも「希望」はある)〜

 

2013年、フィリピンが台風ヨランダに襲われた際にJICAがおこなった現地調査と科学的分析に基づいた支援のデザイン、人材育成など、当地での多彩な支援をご紹介いただきました。

 

 

レオポルド・ドミニコ・ペティリャ氏(フィリピン・レイテ州知事)

〜“Hope” was the key(「希望」が鍵だった)〜

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このフォーラムのためにわざわざ来日くださったペティリャ知事からは、レイテ島が台風ヨランダによる高潮被害を受けた際のこと、そこからの復興への取り組みについてお話しいただきました。

 

 

高橋敏彦氏(岩手県北上市長)

〜支援活動を通じて見えた「5つの気づき」〜

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発災以来、今も被災地の後方支援を継続している岩手県北上市の高橋敏彦市長からは、北上市の被災地支援の取り組み、「きたかみ震災復興ステーション事業」(北上への避難者の支援 + 県外からの支援者のガイド)を通じて得られた5つの気づき(1. 多様な情報伝達手段の確保、2. 平時からの地域防災体制の構築、3. 被災者の再建意欲を育む支援、4. 継続的な地域自治力の育成、5. NPO等との多様なネットワークの形成)について貴重なご提言をいただきました。

 

 

ここでコメンテーターとしてご登壇くださいました有馬利男氏(NPO法人ジャパン・プラットフォーム理事長)と村上教行氏(イオン株式会社顧問 イオン東北代表)からこれまでのプレゼンテーションに関してコメントをいただきました。

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神山浩樹氏

(IBC岩手放送・アナウンサー/ニュースキャスター)

〜あたりまえのことができなかった。だからあれだけの犠牲者が出た〜

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東日本大震災の発生以来、岩手県被災地を自分で取材し、報道してこられた神山氏には、現地で見聞きしたエピソードをまじえながら、取材を通じて感じたことを熱くお話いただきました。

 

 

長谷川康一氏(バークレイズ証券株式会社・チーフオペレイティングオフィサー)

〜三日坊主を続ける。いいパートナーを見つける〜

長谷川氏からは、発災以来続く、バークレイズ証券株式会社の会社ぐるみの岩手県大槌町での支援活動についてご紹介いただきました。

 

 

第二部のディスカッションでは、ファシリテーターとして松永秀樹(JICAエジプト事務所、遠野まごころネット・理事)、マル・カーガイ氏(フィリピン大学防災センター)、葛巻徹氏(いわて復興連携センター・事務局長)を迎え、コミュニティの問題を中心に、NPOのありかたなどに関して多方面から意見を交換しました。

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最後に遠野まごころネット理事長の多田一彦がこの日の成果を統括させていただき、好評のうちに終了となりました。

 

 

東日本大震災そしてヨランダの高潮の発生時、地域の人々が助け合ったというエピソードからも読み取れるように、今回のフォーラムを通じて見えたのは、日常的なコミュニティの大切さではないでしょうか。

普段機能しないものは、非常時には機能しない」。

常日頃からのコミュニティづくりが、コミュニティの健全化だけでなく、防災にも復興にも必要といえるでしょう。

 

お忙しい中、貴重な体験をお話くださった登壇者の皆様、フォーラムをご支援くださったイオン株式会社様並びにマルイグループユニオン福祉会様、国内外からご来場くださった皆様、パンフレットの製作にご協力くださったSoooooS様、そして当日、会場内外でサポートをしてくださったボランティアの皆様、ありがとうございました。

 

※このフォーラムの模様は複数のメディアで報道されました

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。