スタジオジブリ制作の「猫の恩返し」(02年)の主題歌「風になる」などのヒットや数多くの主題歌、CM曲でも知られるシンガーソングライターのつじあやのさん(本名:辻亜弥乃=33)が、ゴールデンウイーク中の4月30日から5月2日まで、遠野まごころネットの個人ボランティアとして活動してくださいました。
著名人にもかかわらず、遠野まごころネット名物? だった「腐敗サンマ回収作戦」(5月5日にいったん終了)に2日間、そして、最終日は陸前高田市の小学校のグラウンドの泥の除去作業といった過酷な肉体労働に、精力的に参加していただきました。京都のご自宅に帰られてからも、自身の公式ブログで当地での体験を紹介していただいただけでなく、遠野まごころネットの理念に共鳴いただき、個人としては弊ネット過去最高額の活動支援金をご寄付いただきました。
今回、つじさんご本人の許可をいただいた上で、つじさんから事務局に寄せられたボランティア精神あふれるメールを、一部編集してご紹介させていただきます。 事務局隣の体育館だけではなく、今後、遠野市内のホテルや民宿から遠野まごころネットでの日々の活動に参加されようとお考えのボランティア志望のみなさんへの貴重なアドバイスです。
遠野まごころネットさま: 4/30~5/2にボランティアに参加させていただいた辻 亜弥乃と申します。 GWの膨大なボランティアの力を最大限に活かそうと動いておられたまごころネットさまに、本当に感謝しております。ありがとうございました。
ひとつだけ、どうしてもお願いしたいことがあります。 私は2日間さんまの回収に参加しました。 民宿に泊まっていたのですが、民宿のおばちゃんから申し訳なさそうに「靴が臭いので外に出してもいいですか?」と言われました。洗いが甘かった自分を反省すると同時に、今後支えていたいている遠野の民宿から宿泊を受け入れてもらえなくなるのではないか?という不安を覚えました。民宿の方々はボランティアを気遣い、言いづらい状況なのではないかと思います。 なので、民宿に泊まるボランティアには、センターに戻ったらまず長靴をよく洗い、自分に付いた臭いのチェックを厳しくすること、できれば民宿では靴は外に出すことをすすめてもらえないでしょうか。そしてもしできれば、バスの清掃なども含め、専任の消臭係がいればいいなあと思います。 私たちは民宿の方とコミュニケーションがとれていたので良かったですが、 全てがそうだとは限らないと思います。友人は「ボランティアはみな体育館に宿泊すべきではないか」とさえ言ってました。でも私個人としては民宿やホテルを利用させていただきたいので、なんとか地域の方のご理解をいただけるように、今後また、まごころネットさんでお仕事させてもらう場合には最大限の努力をしたいと思います。 私などには考えが及ばないほど、やらなければいけないこと、対策を打たねばならないことが山ほどあると思います。さんまの回収がいつまで行われるか分からないのですが(編集注:5月5日で終了)、未熟な1ボランティアのつたない意見ではありますが、ご傾聴いただけると幸いです。 民宿で長靴を洗っていると、他団体のボランティアの方が塩素の消臭とブラシを持ってきて、一緒に洗ってくれました。そして翌朝、干しておいた長靴の上に「がんばれ! いやがんばってください」とメッセージを残してくださいました。業務用の消臭剤、ブラシなどの消臭対策に必要なもの、そしてその他さまざまな活動の足しになればと、明日銀行が開いたら小額ではありますが寄付させていただきます。ご活用ください。 今回のボランティアでほんとうに多くのものをいただきました。 ありがとうございました! 私たちミュージシャンやアーティストは会社勤めではないので、ポッと自由になる日ができたりします。なのでボランティアには参加しやすいはずなんです。今「どうすれば時間の自由がきく人が参加するようになるか?」ということを考えています。次回参加するときはもう少し人数を増やして行こうと思っております。 活動、応援しています! 辻 亜弥乃 ……………………………………………………………………………………………………………
◆つじあやの 1978年(昭53)1月6日、京都府生まれ。高校でフォークソング部に入部しウクレレを始める。 初期の吉田拓郎やスピッツなどの穏やかでのんびりした曲との出会いもあり、京都・ 鴨川のほとりで友達を集めてのミニライブから自身での作詞作曲活動をスタートさせ、99年に スピードスターレコーズよりデビュー。「猫の恩返し」を始め、数々の主題歌、CM曲で活躍し、09年9月にはメジャーデビュー10 周年を迎え、ウクレレをフィーチャーした独自の音楽性とやわらかな歌声で、安 らぎを与え続けている。最新アルバムは「虹色の花さきほこるとき」。