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第4回構成員会議~大槌町お茶っこ隊隊長 奈良寿昭さんからの報告

2011年12月22日  14時09分

12月19日に第4回構成員会議が開催されました。構成員会議は各回ごとにテーマを設けていますが、今回は長期間活動中の隊長さんなどが現在の活動内容を報告しました。本ページでは大槌町で「お茶っこ隊」の隊長として活動する奈良寿昭さんのお話を紹介します。
※ 構成員とは遠野まごころネットで活動している参加団体です


奈良寿昭さん

私は遠野まごころネットでは6月14日から活動しており、7月末から大槌社協主催と言う形での大槌お茶っこ隊の活動を、48か所の仮設住宅すべてで開催している。仮設住宅入居当時は住民同士が顔見知りではない方がほとんどであったので、住民交流の場を設けコミュニティを形成して行くための支援活動をしている。遠野まごころネットの活動方針として「弱者救済」があり、コミュニティサポートを行うお茶っこ隊の活動の他、パーソナルサポートを行う生活支援チームの活動が両輪となって被災者支援活動を行っています。

秋までは屋外にテントを建てて開催していたが、気温低下の他に、風が強い地域の為にテントでの開催が難しくなった。このため12月に入ってからは主に仮設の集会場・談話室・サポートセンターが主な活動の場となった。大槌町の仮設にある集会所・談話室は計25か所。 残りの場所は住民が集まる場がないため、集会場のない地域では仮設の空き部屋や近隣公共施設をお借りして活動を行っているが、 このような場所のない地域も未だ存在する。

【課題】

  1. 仮設住宅にお住まいの方と在宅の方との軋轢の深刻化
    コミュニティとは仮設・在宅すべてを含めて形成されるべきであり、壁を突破するきっかけが必要である。
  2. コミュニティが形成されたが故の弊害
    元々地域の繋がりが強い地域であるが故に一部で対立構造が出てきている。そこまで踏み込むかどうか。
  3. 仮設住宅内での孤立にたいする支援
    自治会などへ踏み出し損ねた言わば転校生のような状態になってしまっている方を、コミュニティへ繋ぐ。

被災したが心を強く保ち復興へ歩みを進める人もいれば、そのような気分になれず、より引き籠っていってしまう人もいる。この場合にも外に出なければいけないという意識を住民自身が持っていることは多いものの、きっかけを失ってしまっていることが多い。このような二極化が進んでくる中、弱者をいかに発見し、支援していくのかが今後の課題となっていくでしょう。

年末年始の活動について、お祭り騒ぎのような活動をしても本当に孤独な方は外に出てこない。生活支援チームと連携し、住民のみなさんの近くにボランティアがいる、という状況を集会場などにつくる。こうすることで静かだが確かなよりそいを実現できるかもしれない。

ボランティア活動は長期の人もいれば短期の人もいる。親しい人にはなかなかこぼせない愚痴や相談事などを外の人間(短期ボランティア)だからこそ話し易いと言う意見もあり、長期のリーダー不足は深刻だが、短期のボランティアだからこそできることがあるようにも感じてきている。

復興と言う気運が高まる中、本当に手助けを必要としている方々に寄り添う。このような支援活動を目指していきたい。

(大槌町お茶っこ隊隊長 奈良寿昭)


奈良さんは構成員である「ふらいパンダ」の代表です

「ふらいパンダ」のウェブサイトはこちら
「ふらいパンダ」のFacebookページはこちら

サイト内の大槌町お茶っこ隊紹介記事

2011年8月17日 大槌町の仮設で巨大カステラづくり(8月12日)
2011年8月06日 まごころの郷で、初のカフェイベントを開催
2011年7月30日 大槌 吉里吉里中学校でカフェイベントが開催されました

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。