5/11 の朝に出発した竜巻被災地支援部隊に続き、荒川顧問他2 名で、茨城県つくば市と栃木県益子町の現地視察に行ってきました。
益子町は、のどかな田園風景に囲まれた焼き物と農業の町です。町の中心部に向かうにつれ、ブルーシートに覆われた家屋が目につくようになりました。丸ごとなぎ倒された杉林や吹き飛ばされつぶれたビニールハウスもありました。
最初に訪ねたのは益子町の社会福祉協議会。
「竜巻被害 益子町災害ボランティアセンター」と墨書された看板が入り口で出迎えてくれます。
朝早く到着したため、まだ人気はありませんでしたが、ボランティア受付、マスクなど装備品、除菌スプレーやうがい薬、被害状況を告知する掲示板など、各コーナーごとに整えられていました。
ここで、先に現地入りして調整に当たっていた東京事務所の吉田君、遠野で見送った植前隊長他、まごころチームと再会。まずは吉田君の案内で被災したお宅を訪ねました。飛散した瓦集めなど家屋整理のお手伝いを中心に取りかかっていること。ビニールハウスの倒壊や農地への飛散物など農業関係の被害も大きいことの説明を受けました。半壊住宅など倒壊の恐れもありそうで、大工さん達専門家の指示を仰ぎ、ボランティアによる支援活動との棲み分けが必要と感じました。
災害ボラセンに戻った後、社協の職員さんからボランティア受付の手順を伺い、朝のミーティング中の受入れを代行しました。集まったボランティアは、主に主に益子町近在の方々でしたが、遠野でお目にかかった顔(関東近辺からの参加者)も混じっておりました。
支援現場に向かう隊長さん達を見送った後、私たち一行は、つくば市に向かいました。
(益子町社会福祉協議会 / TEL 0285-70-1117 / http://www.mashikoshakyo.com/saigai/)。
次に訪ねたのは、つくば市北条地区に構えられた災害ボランティアセンター。駐車場も完備した大きな施設で、災害対策本部と、つくば市社会福祉協議会が運営する災害ボラセン(TVC)が同居しています。物資やスタッフ、情報環境も、益子町より規模の大きな受入体制が整えられ、被災地域の状況地図も作成されておりました。
若林隊長や川辺さん、星さんなど遠野部隊のメンバーのほとんどは現場に出ているとのことで、廣田君が現地案内してくれました。
ここに来るまでは、正直「津波に比べたら……」と思っていました。しかし竜巻による家屋の破壊は思っていたよりすさまじいものでした。全壊した木造住宅、屋根が吹き飛んだ家、つぶれた車両……。ひとつひとつの被災の姿は、津波による物とさほど変わりません。ビニールハウスの倒壊やガラス・瓦等の農地への飛散も深刻そうでした。
幸いなことは、人命の犠牲が少なかったこと。そして地域の中の一部被災というかたちで済んでいることでしょうか。電気や水、食料などのインフラは機能していますし、コミュニティも失われていません。ボランティアも沢山来ています。どの地域も関東方面から日帰りで来れる場所ですし、ここでも幾人かの遠野の常連さんと再会しました。東北大震災で育ったボランティアさん達が、地元や近隣の被災時に駆けつける姿を見るのは嬉しいことです。まごころに限らず、被災地支援活動を担うグループや団体には、こうした方々が 生まれ育つ場としての役割があるということを改めて認識させられました。
また東北大震災に見舞われた地の犠牲の大きさも気づかされました。昨年の4 月。陸前高田市や大槌町では、身近な肉親を失い、コミュニティを奪われ、町の姿さえ変わってしまった中で、どうして良いかわからず呆然と立ちつくしていた人々の姿がありました。
瓦礫撤去はゴールではありません。片付いたように見えても、そこは村や町が失われたままなのです。竜巻被害の町を歩きながら、東北の沿岸被災地で私たちが手がけている、コミュニティの再建がいかに重要であるかを、もう一度かみしめ帰途につきました。
(災害ボランティアセンター / 市民ホールつくばね:つくば市北条 5060 /
TEL029-867-0176 /http://tsukuba-vc.com/)。
文責:事務局 齋藤正宏