2016年2月、ネパール地震被災地の復興に取り組むEducating Nepalの皆様を岩手と東京にお迎えして、災害の経験から共に学び、さらなる支援・復興のあり方を話し合いました。
◯ネパール地震被災地での支援活動
ネパールで地震が発生したのは2015年4月25日。
首都カトマンズをはじめ、国内の広い範囲で大きな被害が出ました(発災直後の現地視察リポート 1・2)。遠野まごころネットでは、東日本大震災の際にいただいた国際的支援への恩返しの意味も込めまして、現地に計6回メンバーを派遣し、地元団体Educating NepalやNepal Wireless Networking Project と連携して、支援をおこなってきました。
支援先は被害がきわめて過酷だったシンドパールチョーク郡のジョロンゲ村です。
ジョロンゲは人口500名の小さな村。地震により村の住宅90軒のうち89軒が崩壊し、10名が亡くなりました。首都・カトマンズから6時間という交通の便の悪さもあり、国際的支援がまったく届いていませんでした。
このジョロンゲ村で遠野まごころネットは地元の皆様といっしょに仮設住宅を建築したり、
岩手県内外の皆様が寄贈してくださったピアニカを村の学校に届けたりしてきました。
◯岩手県・復興の現場の視察
そしてこの2月、さらなる支援の方法をさぐるため、いっしょに復興に取り組んでいる地元団体・Educating Nepalの皆様に日本にお越しいただきました。
来日してくださったのは、同団体代表のビノド・バスネット(Binod Basnet)様、そしてアシルワド ・ トリパシイ(Ashirwad Tripathy)様とハリ・クリシュナ・バタライ(Hari Krishna Bhattarai)様です。下の写真で白いTシャツを着ているのがEducating Nepalのお三方で、真ん中がビノさん、左がアシュさん、右がハリさんです。
ビノさんたちにはまず岩手にお越しいただき、
沿岸の復興の現状そして復興のためのソーシャルビジネス等の産業の現場をご見学いただき、地元の皆様と交流していただきました。まごころ就労支援センターにもお越しいただき、センターでつくっている復興支援ソーシャルプロダクトをご覧になっていただきました。
この間、ネパールの現状について日本国内に広く発信するため、新聞やラジオの取材も受けました(参考)。
◯東京での勉強会・交流会
その後2月14日(日)には、東京・麹町のネパールレストラン「スパイスHUB」で開催されたネパール震災支援・連帯集会にご参加いただきました。現地の近況やEducating Nepalの取り組みをお話いただき、今後の支援について意見交換を行い、日本での支援を推進することが目的です。
会の進行は情報支援プロボノ・プラットフォーム( iSPP)の会津泉様が務めてくださいました。
まず遠野まごころネット理事でネパール支援活動の中心でもある多田一彦が、ネパールでの支援活動とジョロンゲ村の復興についてお話させていただいた後、
ビノさん、アシュさん、ハリさんに、ジョロンゲ村の状況と Educating Nepal の活動について、現地の生の声をお届けいただきました。
またネパール支援のためのチャリティオークションも開催。司会は会津様と遠野出身のシンガーソングライター・船越由佳様です。オークションに出品された豪華商品は、ご来場くださった皆様からご寄贈いただきました。
そしてなんと、会場を提供してくださっていたスパイスHUB様が、店頭で募っていた募金をEducating Nepalの皆様にまるごと贈呈!
スパイスHUB様はこの日、本来ならお休みだったのですが、母国ネパールの支援イベントということで、特別にお店を開けてくださいました。おいしい料理や飲み物もたくさんご提供くださいました。本当にありがとうございます! 皆様も麹町、四ッ谷、半蔵門、紀尾井町などの千代田区界隈でお食事やお酒を楽しまれることがありましたら、ぜひスパイスHUB様をご利用ください! 麹町の駅からすぐ(3番出口直結)ですよ。
この日、ご参加くださったのは国内外からの30名以上。活発な質疑応答や意見交換があり、密な交流があり、お互いに得られるものの多い大変有意義な会となりました。
チャリティオークションの収益と会場からのご寄付は31,000円、スパイスHUB様の店頭募金(ご参加くださった皆様も協力してくださいました)は117,026円でした。ご支援、ありがとうございました。すべてEducating Nepalの皆様を通じて、ネパールの復興に役立てていただきます。
◯そしてネパールの復興に向けて
会の翌日・15日(月)、ビノさんたちは帰国の途に。
2週間、たくさんの方々に会い、たくさんの現場を見て、たくさんのことを学ばれたビノさんたち。日本で見聞きされたことが、ネパールの復興の役に立てば、と心から思います。また滞在中にビノさんたちと交流してくださった皆様、本当にありがとうございました。
2011年以来の東北での復興への取り組みの経験、そして今回の交流の成果を生かし、これからも遠野まごころネットは国際的な支援にも取り組んでまいります。