遠野まごころネット

遠野被災地支援ボランティアネットワーク遠野まごころネット

印刷用ページを表示 印刷用ページを表示

これからが復興の正念場(1):東京で「支援活動報告会」を開催(1)

2011年9月13日  13時59分

9月11日、「遠野まごころネット支援活動報告会in東京」が渋谷区広尾のJICA地球広場講堂で開催されました。午後2時から始まったこのイベントには合計415人が来場。遠野の体育館で寝食をともに活動した懐かしい顔ぶれのみなさんも多数参加し、まごころネットのきずなの強さをあらためて実感した一日となりました。

東日本大震災から6ヵ月が経ち、東北の被災地は復興に向けてようやく歩み始めました。しかしながら、被災地の現状を伝える報道が減少するとともに東北の復興に対する人々の関心は薄れ、早くも記憶の風化が懸念されています。今回の支援活動報告会は、遠野まごころネットのこれまでの活動の歩みを振り返りながら、今、被災地に必要な支援は何か、私たちにこれからできることは何かを会場のみなさんとともに考える貴重な機会となりました。これまでの活動を記録した映像や被災地からのメッセージ、そしてこれまでの取り組みを現場担当者自らが語るなど、現場からの生の声を東京のみなさんに届けたことで、今後一人でも多くの方が復興支援に関心を持ち続けてくださることを願っています。

冒頭の挨拶では、NPO法人遠野まごころネットの佐藤正市代表がハンドマイクを握り、遠野での朝の出発式の様子を再現。震災から17日後にあたる3月28日に遠野まごころネットが設立された経緯や、常に被災者・被災地支援の立場から「ノーではなくイエスを前提にまずやってみること、活動エリアに縄張りもなければ競争もなく、個人ボランティアも受け入れる」というまごころネットの柔軟な活動方針について語りました。設立当初は約20人のメンバーで活動を開始したまごころネットですが、8月末にはボランティアの数が延べ4万人を超え、現在は構成団体数も54団体となっています。佐藤代表は「現地では復興はまだこれからの段階。がれき撤去もあれば、仮設住宅でのフォローや見守り、生活必需品の支援などもあり、まだまだマンパワーが必要で、後方支援のための経費も必要」と現状を訴えました。

開場前からほぼ満席となりました。多くの方々にお集まりいただき、本当にありがとうございます

佐藤代表による開会挨拶。遠野での毎朝の朝礼のようにハンドマイクを使い、支援の必要性を訴えました

今回の支援活動報告会は3つのセッションで構成され、個人ボランティアや関係団体、行政など様々な角度から被災地支援にかかわり続けてきた11人がゲストスピーカーとして登壇し、この半年を振り返りながら活動報告や現場で感じたこと、そして復興支援に向けたそれぞれの思いを熱く語りました。東日本大震災の発生時刻の14時46分には報告会を一時中断し、会場の参加者全員で黙とうを捧げました。

 第1セッションのテーマは「まごころネット6ヵ月の活動報告」。まごころネットの黎明期についての話に続いて、陸前高田市上長部(かみおさべ)地区の活動を記録したビデオ「村が喪われた瞬間(うしなわれたとき)」が上映されました。3月11日の大津波で集落がのみ込まれていく瞬間、散乱したがれきを片づけたり、どろどろになりかけたサンマをボランティアのみんなが手づかみで拾っている様子、きれいになった畑にひまわりの種をまき、芽が出てみんなで大喜びしたこと、そして美しい大輪の花が咲いたひまわり畑を見て目頭が熱くなった方というもきっと多かったのではないでしょうか。ここに至るまでは根気強い作業とたくさんの人たちの協力がありました。長部地区に咲いたひまわりの花は津波をかぶった田畑で本当に作物が育つのだろうかというみんなの不安を払拭しただけではなく、「みんなでやればできる」という復興に向けた希望や勇気を与えてくれました。

(取材・まとめ:高崎美智子)

1|

 

「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。