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これからが復興の正念場(4):東京で「支援活動報告会」を開催(4)

2011年9月13日  19時07分

第3セッション:「まごころネットのこれから」

第3セッション導入ー多田副代表より

活動支援報告会の最後のセッションでは、多田一彦副代表が「まごころネットのこれから」を熱く語りました。これまでに国内外から延べ4万人ものボランティアが遠野に集結し、活動に参加しましたが、そもそも遠野まごころネットが活動を始めたきっかけは一枚の地図だったことをみなさんはご存知でしょうか。多田さんは東日本大震災が起きた直後(3/13)に大槌町に入り、その時に状況を把握するための地図作りをやらなくてはと思ったそうです。そして各避難所を回り、情報を収集して作成した地図を大槌町の災害対策本部に届けました。これが遠野まごころネットの草分けとなる活動の始まりでした(多田さんのお話の詳細は別途リポートしますので、そちらをご参照ください)。

第3セッションのファシリテーター松永さん

全体ディスカッションでは、まごころネットの各代表やゲストスピーカー、会場内の参加者の意見を交えながら、復興支援に向けた行政との連携のあり方や、被災者自立のための支援のあり方などをめぐる活発な議論が飛び交いました。本格的な復興支援はまだこれからの段階で、今すぐに答えが出せないものも多いというのが現実ですが、お互いにいろいろな形でこれからも被災地とかかわり続けていくために、同じテーマをともに考えながら有意義な時間を共有できたならば幸いです。

今回のディスカッションのなかで臼澤良一さんがおっしゃった言葉が印象に残ったのでここで少し引用させて頂きます。大槌町在住の臼澤さんが今回東京にいらっしゃって感じたことについてのお話です。「大槌から遠野に来ると戦場から平和な町に、花巻に来ると通常の町、そして東京の広尾(JICA地球広場)に来るとここは本当に日本なのだろうか。三陸とは全く違う。3.11は日本の歴史から消え去ってしまったのかとすら思う。被災者がもっとこれから情報を発信していかなければならない」。

ディスカッションでは会場からも多くの意見をいただきました

被災地ではまだまだ多くのボランティアの力が必要です。復興支援に向けて私たちは今、どのようなことができるのか、現地では何が必要とされているのか。一人一人の力は僅かであっても、みんなで知恵を絞って力を合わせれば乗り越えられることはまだたくさんあると思います。被災地はこれから厳しい冬を迎えますが、復興に向けた支援活動は続きます。今回の活動報告会に参加したことで、一人でも多くのボランティアの方が被災地のことをこれからも支援し、力を貸してくださることを願っています。直接現地に足を運べなくても、被災地のことや被災者の方々に思いを寄せること、そして今回の災害がもたらしたことの重みをいつまでも忘れず風化させないことも大切な支援のひとつではないかと思います。

今回は懇親会まで含めて約6時間という長時間にわたるイベントにもかかわらず、「遠野まごころネット活動報告会in東京」の開催に向けて御協力頂いたゲストスピーカーや関係者の方々、そして今回来場してくださったみなさまに心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そしてこれからも遠野まごころネットの活動へのご理解やご支援をよろしくお願いいたします。

 (取材・文 高崎美智子)

~おわり~

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「陸前高田市広田町大野地区のコミュニティ施設設営事業」は 「平成23年度(復興支援)被災者支援拠点づくり活動補助事業」の 助成金の補助をいただいています。