9月11日、東京のJICA地球広場(渋谷区広尾)にて「遠野まごころネット活動支援報告会in東京」が開催された。このなかの第3セッションで、遠野まごころネットの多田一彦副代表が「まごころネットのこれから」と題してスピーチを行った。遠野まごころネットの活動が始まったいきさつや被災地の現状、そして今後に向けた展望など興味深いテーマが盛り込まれているので、詳細をご紹介したい。
まごころネットのこれから:東京で「支援活動報告会」を開催(5)
2011年9月15日 20時10分
2011年9月15日 20時10分
9月11日、東京のJICA地球広場(渋谷区広尾)にて「遠野まごころネット活動支援報告会in東京」が開催された。このなかの第3セッションで、遠野まごころネットの多田一彦副代表が「まごころネットのこれから」と題してスピーチを行った。遠野まごころネットの活動が始まったいきさつや被災地の現状、そして今後に向けた展望など興味深いテーマが盛り込まれているので、詳細をご紹介したい。
2011年9月13日 19時07分
活動支援報告会の最後のセッションでは、多田一彦副代表が「まごころネットのこれから」を熱く語りました。これまでに国内外から延べ4万人ものボランティアが遠野に集結し、活動に参加しましたが、そもそも遠野まごころネットが活動を始めたきっかけは一枚の地図だったことをみなさんはご存知でしょうか。多田さんは東日本大震災が起きた直後(3/13)に大槌町に入り、その時に状況を把握するための地図作りをやらなくてはと思ったそうです。そして各避難所を回り、情報を収集して作成した地図を大槌町の災害対策本部に届けました。これが遠野まごころネットの草分けとなる活動の始まりでした(多田さんのお話の詳細は別途リポートしますので、そちらをご参照ください)。
2011年9月13日 17時51分
第2セッション前半のテーマは「被災者の声」についてです。ここでは、東日本大震災で甚大な被害を受けた大槌町から届いた2つのビデオレターを上映。大槌北小学校2年生の子供たちと、吉里吉里で「復活の薪」プロジェクトを手掛ける芳賀正彦さんからのメッセージを伝えました。「復活の薪」とは、がれきの木を集めて避難所の方々に温かいお風呂に入ってもらおうという発想から生まれたもので、ボランティアのなかから「この薪を売ったらどうだろうか?」と話が出たことがきっかけで活動が始まりました。被災者の方々の自立支援や生きがいづくりの点でも興味深いプロジェクトです。続いて「まごころ広場うすざわ」の臼澤良一さんが壇上に登場。会場のみなさんにご自身が被災された時の状況やメッセージを直接語ってくださいました。以下はこれらのメッセージの要旨です。
2011年9月13日 16時46分
がれき・サンマ隊に続き、心のケア、まごころネットOB・OG、関係団体などいずれも内容が充実した活動報告でした。すべてを掲載できないのが残念ですが、ここでは第1セッションで発表されたの活動報告の要旨をご紹介します。
*菊池新一さん(NPO法人遠野まごころネット副代表)
まごころネットは3月28日に結成したが、3月17日の段階ですでに有志が集まり会議をしていた。(中略)まさにこれからが正念場。昔から遠野は宿命的な後方支援の場所であり、私たちは必要な人に必要な物を必要な時に届け続ける。これから何年かかるかわからないが協力して支援をしていこう。
2011年9月13日 13時59分
9月11日、「遠野まごころネット支援活動報告会in東京」が渋谷区広尾のJICA地球広場講堂で開催されました。午後2時から始まったこのイベントには合計415人が来場。遠野の体育館で寝食をともに活動した懐かしい顔ぶれのみなさんも多数参加し、まごころネットのきずなの強さをあらためて実感した一日となりました。
東日本大震災から6ヵ月が経ち、東北の被災地は復興に向けてようやく歩み始めました。しかしながら、被災地の現状を伝える報道が減少するとともに東北の復興に対する人々の関心は薄れ、早くも記憶の風化が懸念されています。今回の支援活動報告会は、遠野まごころネットのこれまでの活動の歩みを振り返りながら、今、被災地に必要な支援は何か、私たちにこれからできることは何かを会場のみなさんとともに考える貴重な機会となりました。これまでの活動を記録した映像や被災地からのメッセージ、そしてこれまでの取り組みを現場担当者自らが語るなど、現場からの生の声を東京のみなさんに届けたことで、今後一人でも多くの方が復興支援に関心を持ち続けてくださることを願っています。
2011年9月13日 10時50分
これまでのディスカッションの内容を、遠野まごころネット副代表の多田一彦さんがまとめました。
多田一彦さん(遠野まごころネット): みなさん大事な話をしてくださいました。菊池新一さんは、全体の緊急支援の中で、物資の観点からいくと一つひとつの物資を大事にし、どのようにうまく物資の支援を止めていくかということを考えなければなりません。
一方、大関さんが言った弱者救済という観点では、一人ひとりに深く入っていって、一緒に悩んで支援をしつづけなければなりません。
同じ場所で同じ活動をしていると難しい問題がでてきます。私のプレゼンで「パーソナルなサポートは組織を分けるべきだ」といったのはそういうことです。同じ考え方で支援をすると難しいから、これは難しいままで別々の形でやってもいいじゃないかという意見もあります。
同じ土俵で考えると違うことを言っているように感じるが、本当は両方とも同じ路線にあります。
この報告会で思ったことは、岩手県も我々も、参加してくれている外部団体も向かう方向は同じベクトルにあるということです。本当にそう感じます。だから必ずみんなで協力し、よい支援を続けていけるでしょう。
2011年9月13日 10時40分
会場からいただいた質問のなかに、「ボランティアが被災者の自立をさまたげているのではないか」と新聞で報じられていたとの声がありました。
被災地の現状とボランティアが行なっている支援の工夫について、各団体が答えました。
参加者(男性): 9月に遠野まごころネットで個人ボランティアとして活動をしたものです。
「ボランティアが住民の自立をさまたげているのではないか」という新聞記事を見ました。ボランティアは、どのくらい自立をサポートすればよいのでしょうか。
また、今後は、これまでやってきた泥かきや心のケアは減っていくと思います。これからボランティアが関与していくのはどういう部分なのでしょうか。自立をさまたげない支援とはどういうものなのでしょうか。
2011年9月13日 10時30分
会場にいらした参加者からの質問に、登壇者が答えました。
参加者(女性): みんな被災地へ行きたいと思っていますが、距離が遠く、費用が高いのがネックになっています。私はJRにメールを出して、ボランティア列車を出してほしいと頼みました。そうすればみんなが行きやすくなります。
大きな震災はチャンスだと言われているそうです。チャンスは時間が経つと閉じてしまうと言われていわれています。すでに閉じてしまったのではないでしょうか。
松永秀樹さん(ファシリテーター): 多くの人が亡くなっている中で、「震災をチャンス」というのは難しいかもしれませんが、震災から学ぶことはありますし、日本自体を変えていくような、さまざまなことができると思います。多田さんに伺います。
多田一彦さん(遠野まごころネット): 今のタイミングではいいにくいですが、震災から何かを得るという考え方はいいと思います。
2011年9月13日 10時20分
松永秀樹さん(ファシリテーター): ボランティアと行政の連携について、会場から質問が届いています。
「平時であれば住民サービスとしてさまざまな支援ができるかもしれませんが、いまのような場合、行政が強い力を出さなければ、時間ばかりが経ってしまいます。いろんな問題があるにせよ、最大幸福のための施策をつくり、実行していくのが行政なのではないでしょうか。遠野まごころネットの方はイライラしませんか?」という質問です。
では、行政と一緒にやっていくことについて多田さんのご意見を聞きたいと思います。
多田一彦さん(遠野まごころネット): よく、行政の方に「民間意識を持て」という話がありますが、それは民間から行政に対する一方的な意見ではないかという感覚が私にはあります。逆に、民間に「官の意識を持て」ということも必要ではないでしょうか。
2011年9月09日 16時29分
報道関係各位
NPO 法人遠野まごころネットは、岩手県遠野市において、東日本大震災における被災地支援活動を行っているNPO法人です。来たる2011 年9 月11 日に、東日本大震災後から六カ月をくぎりとして、これまでの活動報告を行う「遠野まごころネット支援活動報告会in 東京」を、東京都渋谷区にある「JICA 地球ひろば」にて開催することとなりました。
※9月9日現在、300名を超える方から参加申し込みをいただいております。