東日本大震災の発生から8か月経った2011年11月。大槌町安渡の菊池妙さんは、津波で流失した自宅の跡で思わぬものを見つけました。3株の稲穂です。安渡は海に面していて、周囲には田んぼはありません。つまりこの稲は津波に乗ってどこかから流れ着き、瓦礫の中で自然に芽生え、逆境を乗り越えて穂を結んだのです。妙さんはこのお米を「大槌復興米」と名付けました。
妙さんから稲穂を託された遠野まごころネットでは、大槌復興米を大槌町の新たな産物に、復興のシンボルに育てるため、ボランティアさんそして地元のみなさんといっしょに栽培と商品開発を進めてきました。このほどついに、地元の企業のお力を借りて大槌復興米を使った純米酒「たえの酒」そして「藤勇十割糀みそ」が完成しましたので、その発表会をおこないました。
発表会は2017年6月17日(土)、大槌たすけあいセンターで開催されました。
会場には大槌復興米の発見者の菊池妙さんをはじめ
お酒を醸造された上閉伊酒造の新里佳子氏
南部杜氏の伊藤様
遠野市綾織で大槌復興米を栽培して下さっている綱木様
大槌町役場の藤原様
イオン心をつなぐプロジェクトの鈴木様とイオンスーパーセンターの東尾様
おおぜいの関係者の皆様がお集まりくださいました。
そしてこれがついに披露された大槌復興米純米酒「たえの酒」です。
2012年から栽培をお手伝いくださったボランティアさんたちをはじめ、おおぜいの皆様の「縁」の結晶です。
たえの酒についているタグは、妙さん作の詩が書かれています。ひとつひとつていねいに、まごころ就労支援センターの利用者さんがつけてくださいました。
発表会では、釜石の藤勇醸造所様とのコラボ商品・大槌復興米使用「藤勇十割糀みそ」も披露されました。
乾杯、そしてお待ちかねの試飲会。
「おいしい」「女性でものみやすい」とご評価いただきました。
多くの方々のたくさんの思いがこもった念願の「たえの酒」。みなさんに愛されるお酒になってほしいと思います。
「たえの酒」は、岩手県内のイオンスーパーセンターをはじめグループ各店で先行販売されます。
こちらは6月18日(日)のイオンモール盛岡店様での店頭販売の模様です。
そのほか、遠野まごころネットのウェブショップや遠野市の遠野まごころネット駅前事務所、埼玉県川口市の復興応援ショップ「みちのく社中」でも順次販売される予定です。
また6月24日(土)には遠野市内のレストランで「たえの酒を楽しむ会」が開催されます。
逆境を乗り越え、多くの縁が生んだ「たえの酒」をぜひ味わっていただければと思います。
なお発表会に先立つ6月14日(水)、まごころ就労支援センター釜石とおおつちの利用者さんそして実習生のみなさんが、大槌たすけあいセンター周辺の環境整備をしてくださいました。
おかげでとってもきれいになりました。
発表会のお客様を気持ちよくお迎えできました。ありがとうございました。
大槌復興米のこれまでの歩み
◯2011年
・3月11月、大槌町安渡の菊池妙さん宅に種籾が津波に乗って流れ着く。
・11月、大槌町安渡の自宅跡で3株の稲が実っているのを妙さんが見つける。
◯2012年
・秋、5.4kgの種籾を収穫。
◯2013年
・春〜、大槌町の水田で規模を拡張して栽培。秋、387.5kgを収穫。販売も開始。
・DNA鑑定(武蔵野まごころ連の皆様のご支援で実施)で品種が「ひとめぼれ」であることが判明。
◯2014年
・春〜、遠野市綾織の綱木様の水田で栽培。秋、12トンを収穫。
・秋〜、障がい者自立施設「まごころ就労支援センター」の商品として販売開始。
・11〜12月、JAL国内線ファーストクラスの機内食に採用される。
◯2015年
・2月、ソーシャルプロダクツ賞を受賞。
・2月、大槌町と遠野市の小学校に給食用米として寄贈。
・春〜、遠野市綾織の綱木様の水田で栽培。秋、4.5トンを収穫。
◯2016年
・3月、JAL国内線ファーストクラスの機内食に再び採用される。
・4月、東京・日本橋の「わたす日本橋」様のメニューに採用される。
・5月、釜石市の老舗・藤勇醸造様で味噌の材料としていただけることに。
・8月、尚美学園大学の皆様が川越百万灯祭りでお団子とドーナッツを販売。
・9月、東京・お茶の水女子大学附属小学校で給食として提供。
・10月、尚美学園大学の皆様が学園祭でお団子と焼きおにぎりを販売。
◯2017年
・5月、朝日新聞(岩手版)の「3.11その時そして」で連載。
・6月17日、「たえの酒」「藤勇十割糀みそ」発表。
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